ルーキーイヤーの昨季5勝をマークした巨人・赤星優志
ルーキーイヤーの昨季5勝をマークした巨人・赤星優志

 プロ野球のキャンプインまで約半月となり、各球団の今シーズンへ向けての陣容もほぼ固まった印象を受ける。新戦力にどうしても注目が集まるが、球団の将来を考えるとやはり重要になるのが若手プレイヤーの上積みである。昨年もオリックスでは宇田川優希、山崎颯一郎、ヤクルトでは木沢尚文、長岡秀樹が飛躍を遂げ、チームのリーグ優勝に大きく貢献した。そんなチームの将来を担う若手選手について、充実度をランキング形式で評価してみたいと思う。若手選手の対象としては2023年の満年齢が24歳以下とし、一覧の()の選手は育成選手となっている。また、今年のルーキーについては対象として考えず、あくまで昨年の成績で評価した。今回はセ・リーグの6球団についてだ。

【ランキング】2022年セ・リーグ個人年俸上位20傑はこちら

*  *  *

■1位:ヤクルト(前年のランキング2位)

一軍主力投手:梅野雄吾
一軍主力野手:村上宗隆、長岡秀樹
一軍戦力投手:
一軍戦力野手:内山壮真、浜田太貴、丸山和郁
二軍主力投手:市川悠太、金久保優斗、(下慎之介)
二軍主力野手:武岡龍世、並木秀尊、赤羽由紘

 1位はリーグ2連覇を達成したヤクルトとした。特に野手の充実ぶりは他の5球団を大きくリードしている印象を受ける。球界最強打者へと成長した村上が今年で23歳とまだまだ若く、長岡、内山、丸山とセンターラインに成長が期待できる若手が揃っているのが大きい。特に昨年大ブレイクを果たした長岡はゴールデングラブ賞に輝いた堅実な守備に加えてパンチ力も備えており、近い将来セ・リーグを代表するショートになる可能性も高いだろう。村上がメジャーに移籍するまでに強打者タイプが出てくるかが今後の注目ポイントになりそうだ。

 一方の投手はエースとして期待された奥川恭伸が怪我で停滞しているのが気がかりだ。昨年は木沢尚文が中継ぎで大活躍したものの、その下の年代はまだまだ手薄な印象は否めない。奥川が今年も低迷するようだと、将来はかなり不安になるだろう。

著者プロフィールを見る
西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

西尾典文の記事一覧はこちら
次のページ
2位、3位のチームは?