子宮体がんでは、がんが子宮内膜にとどまっているごく早期で、悪性度が低いタイプであれば、妊孕性温存治療として黄体ホルモン剤を服用し、子宮体がんの原因となる女性ホルモン(エストロゲン)を抑える「高用量黄体ホルモン療法」という選択肢があります。ただし、治療の効果がある人の割合は約60%といわれています。効果がない場合は子宮の摘出がすすめられます。

 卵巣がんでは、片側の卵巣のみに限局する早期の場合に限り、がんがない反対側の卵巣と子宮を残す「妊孕性温存手術」が可能なことがあります。

 いずれも、まずはがんの治療が最優先であり誰もが選択できる治療ではありませんが、希望する場合は主治医に相談してみましょう。

(文・出村真理子)

【取材した医師】
東邦大学医療センター大橋病院 産婦人科教授 田中京子 医師
兵庫県立がんセンター 副院長・婦人科部長 山口 聡 医師

東邦大学医療センター大橋病院 産婦人科教授 田中京子 医師
東邦大学医療センター大橋病院 産婦人科教授 田中京子 医師
兵庫県立がんセンター 副院長・婦人科部長 山口 聡 医師
兵庫県立がんセンター 副院長・婦人科部長 山口 聡 医師

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