「鬼越トマホーク」の金ちゃん(右)と坂井良多さん(撮影/中西正男)
「鬼越トマホーク」の金ちゃん(右)と坂井良多さん(撮影/中西正男)

唯一無二の“ケンカ芸”で一気に人気を獲得したお笑いコンビ「鬼越トマホーク」の金ちゃん(37)と坂井良多さん(37)。豪快かつ鋭い毒舌がトレードマークになっていますが、過去には「解散」をしたことも。そして今、お互いへの思い、今後への思いをストレートに語ってくれました。

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坂井:今年を振り返ると、8月に結婚しまして。30歳までカノジョもいなくて、ずっとゆがんだものの見方が自分の中で普通になっていた部分もあったんですけど、結婚して学ぶ社会の仕組みもたくさんありました。相方や周りを困らせてきた部分が少しはマイルドにはなったかなとも思っています。

金ちゃん:丸くなりましたよね。

坂井:いや、別に丸くなっちゃいないんだよ。丸いというか、丸みを帯びたコーティングもしているだけで、中身は変わっちゃいない。コーティングの下はとがってるから。

金ちゃん:ま、強がってますけど(笑)、結婚して守るべきものができて、これは純粋に良い意味でですけど、人の心が分かるようになったというか。あとは長期的なものの見方もするようなったと思います。YouTubeでも今やりたいことプラス、先を見据えた企画もやるようになりましたし。

坂井:そんなもん考えちゃいないよ。

金ちゃん:いやいや、強がるんじゃないよ。

坂井:今でもこの先どうなるか分からないと本気で思ってますけど、結婚する前は、もっともっと破滅型だったんですよね。ウチの一族も仲が悪いから、もうどうでもいいやと。結婚も全く考えてませんでした。疑うことなく、当然、独身で死んでいこうとも思ってましたしね。

 今でもどうしようもない人間であるという根本は変わらないんですけど、そんな自分を好きでいてくれる人が現れた。全てを分かった上で家族にもなってくれた。そこに報いるために、どうにか仕事を頑張って、どうにか生活させていかなきゃいけない。最低限の感謝として、それは思っています。

 人生で全く乗る必要のない「鬼越トマホーク」という泥船に乗ってくれたんでね。泥は泥のままなんですけど、せめて、泥を硬くして向こう岸まで何とかたどり着きたいなと。

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中西正男

中西正男

芸能記者。1974年、大阪府生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当として、故桂米朝さんのインタビューなどお笑いを中心に取材にあたる。取材を通じて若手からベテランまで広く芸人との付き合いがある。2012年に同社を退社し、井上公造氏の事務所「KOZOクリエイターズ」に所属。「上沼・高田のクギズケ!」「す・またん!」(読売テレビ)、「キャッチ!」(中京テレビ)、「旬感LIVE とれたてっ!」(関西テレビ)、「松井愛のすこ~し愛して♡」(MBSラジオ)、「ウラのウラまで浦川です」(ABCラジオ)などに出演中。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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