ヤクルトでは4年間プレーしたマクガフ
ヤクルトでは4年間プレーしたマクガフ

 2019年の来日以来、中継ぎに抑えに通算236試合に登板。過去2年では両リーグ最多となる69セーブを挙げてヤクルトの連覇に大きく貢献したスコット・マクガフ(33歳)がこのオフ、チームを去った。

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 12月15日には、現役時代にヤクルトでもプレーした経験を持つトーリ・ロブロ監督率いるダイヤモンドバックスと、2年契約に合意。現在は米国の自宅でクリスマスシーズンを満喫しているマクガフに、あらためて日本での4年間を振り返ってもらった。

「4年間、スワローズの一員でいることができて幸せだった。想像していた以上の4年間だったよ。良いことばかりではなかったけど、多くのことを学んだし、素晴らしい人々にも出会えた。日本でプレーし、生活する機会を得られたことには、本当に感謝してるんだ」

 高校卒業時に遊撃手としてドラフト指名を受けながら、オレゴン大に進学して本格的に投手に転向したマクガフは、大学2年時の2010年に日本で開催された世界大学野球選手権に出場している。その9年後に日本の球団でプレーすることになるとは「思ってもいなかった」という。

 翌2011年のドラフトでドジャースから5巡目指名を受けてプロ入りし、マーリンズへのトレード、右ヒジのトミー・ジョン手術を経て、初めてメジャーリーグのマウンドに上がったのは2015年8月。だが6試合の登板にとどまると、その後は球団を転々としながらもメジャー昇格はならず、2018年オフに日本行きを決意する。これが「想像していた以上の4年間」の始まりとなった。

「グラウンドの中でも外でも、日本では本当にいろんなことを学んだ。言葉も覚えたし、日本食の美味しさも知った。ピッチングに関して言えば、フォークボールを投げるようになったのも、その1つだ」

 思い出すのは来日1年目の2019年8月。その頃のヤクルトは投手も野手と一緒に神宮球場のグラウンドで練習をしていて、ふと見るとマクガフが一塁側のブルペンで繰り返し落ちる球ばかり投げている。練習後にその意図を聞くと「フォークボールの練習をしていたんだ」との答えが返ってきた。

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日本での「ベストゲーム」と答えた一戦は?