中日・ビシエド(左)とDeNA・オースティン(右)
中日・ビシエド(左)とDeNA・オースティン(右)

 ダヤン・ビシエド(中日)とタイラー・オースティン(DeNA)。ともにチームの浮沈を左右する強打の助っ人だが、来季へ向けては不安の方が多い。

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 打力不足が長年課題の中日で“孤軍奮闘”してきたが、衰えが気になるのがビシエド。今季は129試合に出場し、打率.294、14本塁打、63打点とまずまずの成績を残してはいるが、本塁打数は2016年に入団してから最少に。併殺打の数もリーグワーストとなるなど、数字以上に苦しんだ感もある。

「立浪和義新監督が就任し、魅力あふれる戦いが見られると周囲は期待していた。低迷期から主力として頑張ってきたビシエドもモチベーションも高かったはず。成績自体は及第点とも言えるが、“併殺打製造機”となってしまい打線を分断する役目となってしまった」(中日担当記者)

 中日は立浪新監督のもと、低迷からの脱出が期待されている。投手陣のメンツはそこそこ揃っているだけに、上位進出へ向けては得点力アップが必須。チームの柱となる4番打者の活躍は勝つためにも欠かせない要素だ。

「岡林勇希、大島洋平という1、2番の2人は出塁を期待できる。クリーンアップが仕事をできれば得点力は飛躍的に上がるでしょう。ビシエドの今季の本塁打数はリーグ19位と多くなく、併殺の多さも目立つ。外国人選手だけに、他の数字が良くてもこれでは起用方法に悩まされる」(在京球団編成担当)

 メジャーリーグ時代は主にホワイトソックスでプレーし、5年間で66本塁打を放った強打者。来日1年目の2016年は開幕から3試合連続本塁打を放つ鮮烈デビューを果たし、打率.274、22本塁打、68打点をマーク。3年目の2018年には打率.348、26本塁打、99打点の好成績で、首位打者とリーグ最多安打(178本)のタイトルを獲得した。

 その後も主軸として中日に欠かせない存在として活躍。2021年の交流戦では打率.409で首位打者となり、守備でも一塁手部門で2020年から2年連続でゴールデングラブ賞にも輝いている。しかし、やはり肝心の打撃では不安要素が大きくはなってきているのは否定できない。

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来季は2人とも“勝負の年”に