来季から3年ぶりにヤクルトに復帰する河田雄祐コーチ(写真提供・東京ヤクルトスワローズ)
来季から3年ぶりにヤクルトに復帰する河田雄祐コーチ(写真提供・東京ヤクルトスワローズ)

 河田雄祐氏が1軍外野守備走塁コーチとして来季からヤクルトに復帰することが決まった。

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 広島のヘッド兼外野守備走塁コーチを今季限りで退任。球界屈指の有能コーチは2020年以来3年ぶりのヤクルト帰還となる。日本一の連覇を逃し、再び頂点を目指すチームにとってこれ以上の人材はいない。

 河田コーチ復帰には、現場、関係者、ファンから異口同音に喜びの声が聞かれる。外野守備、走塁を教えるスペシャリストとしての技量ももちろんだが、チームを前向きにさせるメンターとしての能力、そして誰からも愛される人物であることで知られている。

「野球に対する姿勢は真摯そのもの。現役時代は主に控え選手としてチームを支えたが、練習量はチームトップ。出番がいつ来るかもわからない中、常に実戦を想定した準備を怠らない。出場機会がやって来た際には、最初から全力を発揮できるよう心掛けていた」(西武関係者)

「何歳になっても明るく気さくなナイスガイで周囲を明るくしてくれる。野球だけでなく普段の姿勢から尊敬できる人。チーム練習には一番乗りすることも多く、大きな挨拶が聞こえるので登場がすぐわかる。選手、関係者、マスコミにも分け隔てなく接してくれて、いつも楽しそうに笑っている」(広島担当記者)

 河田コーチは1985年のドラフト3位で帝京高(東京)から広島に入団。主力ではないものの、俊足の強肩外野手としてチームに欠かせない存在となった。1995年オフにはトレードで西武に移籍し、「スーパーサブ」として西武のリーグ連覇(1997、1998)に貢献。2002年限りで17年にわたる現役生活に終止符を打った。

 引退後の2003年から西武の1軍打撃コーチ補佐として“指導者人生”がスタート。その後、1軍、2軍の両方で指導経験を積みベースコーチとしての指導力も磨いた。2016年からは広島1軍外野守備走塁コーチとなり、リーグ連覇を果たしたチームを指導。2018~2020年はヤクルト、2021~2022年は広島、そして来季から再びコーチとしてヤクルトへ戻る。

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人間性だけではない“指導力”の高さ