来季で来日5年目となるカーター・スチュワートJr.(写真提供・福岡ソフトバンクホークス)
来季で来日5年目となるカーター・スチュワートJr.(写真提供・福岡ソフトバンクホークス)

 日本のプロ野球でブレイクするのか、それともメジャーリーグMLB)に移籍するまでの調整で終わってしまうのか。

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 来季ソフトバンクで5年目を迎える「超逸材」、カーター・スチュワートJr.が日本で“残された時間”で活躍できるかに注目が集まっている。

 2019年5月にスチュワート(当時19歳)がソフトバンクと契約したニュースは、日本よりも米国で大騒ぎとなった。

「前年2018年のMLBドラフトの目玉選手の1人だった。ブレーブスからの1巡目指名(全体8位)の後に発覚した右手首異常の影響で契約条件の悪化も予想されていた。翌年のドラフトも視野に入れていると思われたが、NPB球団と契約したのだから驚かされた」(在米スポーツライター)

 スチュワートは指名を受けたブレーブスとの契約合意に至らず、東フロリダ州立短大へ入学したため、翌年のドラフトを目指すと思われていた。その矢先にソフトバンクと6年総額700万ドル(当時で約7億7000万円)で契約。出来高などを含めれば、最高で1200万ドル(約13億2000万円)前後まで達する契約内容も話題となった。

「代理人のスコット・ボラス氏はやり手として有名。ビジネスライクな交渉で吸血鬼と呼ばれる。スチュワートの怪我が発覚してMLBでは高額の契約金を得ることは難しいと考え、NPBへ照準を合わせたのだろう」(大手エージェント会社関係者)

 高校時代から抜群の実力を発揮し、米球界では知名度抜群の有望株だった。ドラフトでの1巡目指名は妥当な評価だったが身体検査で問題が発覚し、ブレーブスでは望んだような契約金を得ることができないと判断。そこでボラス氏はスチュワートがFA市場で勝負できる年齢まである程度の給料が保証されるNPBに目を付けた。

 MLBでのプレー経験がないスチュワートに関しては、大谷翔平(エンゼルス)がメジャーに移籍した際に適応された「25歳ルール(25歳未満の選手はマイナー契約のみ)」に該当する。ソフトバンクとの契約を見れば、それを意識したものであることも明らか。日本では基本的には“育成”に時間をかけ、25歳となるシーズンの終了後にFA選手として米国に渡るというのがプランだろう。

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スチュワートは日本で成長しているのか