エンゼルスの大谷翔平(ロイター/アフロ)
エンゼルスの大谷翔平(ロイター/アフロ)

 今季はシーズン途中からトレードの噂が絶えなかったエンゼルスの大谷翔平。今季終了間際の10月1日には1年3000万ドル(約40億5000万円)で来季契約を結び、ひとまずエンゼルス残留が決まったが、“勝てるチーム”でのプレーを望んでいるだけに先が読めないところもある。

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 エンゼルスへの愛着は感じるものの、来シーズンオフにフリーエージェント(FA)になる大谷については、チームの前半戦の戦い次第ではトレード期限までに移籍となる可能性は決して低くないだろう。そういう意味でも来季は序盤からの戦いぶりが未来を分けそうだが、エンゼルスのこのオフの補強ぶりはどうなのか。来シーズンに向けどれほど戦力アップを果たせたのかを確認したい。

 まず、投手陣で最も大きな補強は今季ドジャースで15勝5敗、防御率2.57と見事な成績を残した左腕のタイラー・アンダーソンだろう。

 エンゼルスは「打高投低」というイメージもあるが、今季のチーム防御率はメジャー30球団中9位(3.77)とそこまで悪くない。特に先発陣は大谷の活躍の影響もあって、同6位(3.67)と上位の数字をマークしている。来季の顔ぶれも見ても大谷を筆頭に、パトリック・サンドバル(6勝9敗、防御率2.91)、ホセ・スアレス(8勝8敗、防御率3.96)、今季ノーヒッターを達成したリード・デトマーズ(7勝6敗、防御率3.77)と絶対的な存在はいないものの、それなりのメンバーがそろってきた印象だ。

 一方、救援陣の防御率はリーグ全体で18位(3.95)。リードしながら勝ちきれない印象があるが、それが顕著に数字にも表れている。間違いなくオフの補強ポイントではあるが、ここまでオフで目立った補強は今季ロッキーズで62試合に登板して防御率3.47をマークした右腕のカルロス・エステベスのみ。

 今季はトレード期限前に2021年から抑えを務めていたライセル・イグレシアスを放出し、シーズン途中から抑えを任されたジミー・ハーゲットも力で押して三振が獲れるタイプではない。エステベスがクローザー候補となっているようだが、リリーフ陣の補強は今後もストーブリーグの課題の一つであるのは明白だろう。

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野手陣の顔ぶれは?