パトリック・ハーランさん
パトリック・ハーランさん

 ハーバード大学卒業後に来日して25年以上のパトリック・ハーラン(パックン)ですが、今でも「日本の給料交渉」について気になることがあるそうです。アメリカでの給料との向き合い方や、昇給したときのおすすめのお金の使い方などを盛り込んだ、自身初のお金の本『パックン式 お金の育て方』から一部を抜粋・再編して公開します。

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■給料交渉には、もう少し積極的になったっていい!

 今好きな仕事をしているのならば、転職をせずに自分の所得を増やしたいものです。

 そういうときに検討すべきは、「給料交渉」です。

 アメリカ人と比べて、日本人は給料交渉に消極的だと感じます。

 僕はそういう日本人の控えめなところが大好きです。でも、もう少し積極的になってもいいのかもしれません。

 日本はやはり年功序列で賃金が決まる会社が多い傾向がありますので、「昇給は勝手にするもの」というイメージがあるようです。つまり、「勤務年数が増えたら、自然と給料が上がるだろう」と考えているということです。

 でも僕は、給料は「会社への貢献度」に応じてもらうものだと考えています。

 だから、同じ勤続年数だとしても、会社にたくさん貢献している人は、もっとたくさんお給料をもらったほうがいいわけです。

 同僚よりも多くの取引先を開拓したり、仕事に役立つ専門知識を身につけたりしたら、会社としても給料を上げてもいいと考えるのが普通だと思います。

 仮に、ある人が毎月1000万円の売上をアップさせたのなら、その売上の一部を昇給にあててもらえれば、会社もその人にもWin-Winですよね。

■昇給したときこそ、無駄遣いをしないようにしよう!

 ただし、給料がアップしたからといって、「やったー!」と浮かれて、無駄遣いをしたら、かえってお金はなくなっていきます。

 うれしい気持ちはすごくわかりますが、ここは一度冷静になって、ケーキを1個買ってお祝いするくらいにしておきましょう。

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