46年の歴史があるハッピーターン。独特のパウダーの味はどの企業も真似できない
46年の歴史があるハッピーターン。独特のパウダーの味はどの企業も真似できない

 亀田製菓の人気菓子「ハッピーターン」とコラボした商品が続々と登場している。一部では有名な話だが、あのやみつきになる甘じょっぱい粉「ハッピーパウダー」は門外不出。レシピは社内でもごく一部しか知らない“機密事項”である。では、相手企業はどうやってあの味を再現し、コラボ商品を開発しているのか。コラボ企画に携わっている“中の人”に聞いてみた。

【ハッピーパウダーをまぶしている工程を見る】

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 老若男女に愛される、ハッピーターン。まぶしてある粉「ハッピーパウダー」の、あのやみつきになる甘じょっぱい味わいは「何味」という例えが難しい。「ハッピーターン味」と呼ぶのが正解かもしれない。

 料理のレシピサイトには、あの味わいの再現に挑んだオリジナルのハッピーパウダーのレシピがいくつもある。

 そのハッピーターンだが、近年、異色のコラボ商品を続々と開発している。例えば「から揚げ粉」やチルド飲料の「ハッピーターン・オレ」「カップ焼きそば」などである。(※オレと焼きそばはすでに販売終了)

 味の評価は食べた人の舌に委ねるとして、そもそも、門外不出とされるハッピーパウダーを使わず、いかにしてコラボ商品を開発しているのか。

 教えてくれたのは、亀田製菓でハッピーターンの商品企画やプロモーションに携わっている林克昭さん。幼い子ども2人がコンビニでハッピーターンを見つけると「パパの!パパの!」と大騒ぎするのが“うれしはずかし”の35歳である。

 あのパウダーはいったい何でできているかを尋ねると、こう答えてくれた。

「ハッピーパウダーが門外不出なのは事実です。作り方を知っているのは技術担当者など社内でごく一部の人間だけです」

 レシピは、鍵がかけられている場所に厳重に保管されているそうだ。

 会社として公表できる材料は塩、砂糖、アミノ酸の3つだけ。その他に何が使われているかは従業員のほぼ全員が知らない。

 ハッピーパウダーは門外不出で、コラボ商品には使えない。レシピも相手には教えられないという条件下で、どうやってコラボ商品を完成させているのか。

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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