今季は二軍で圧倒的な成績を残した阪神・桐敷拓馬(写真提供・阪神タイガース)
今季は二軍で圧倒的な成績を残した阪神・桐敷拓馬(写真提供・阪神タイガース)

 近年、積極的に若手を抜擢する球団が増えている印象があるプロ野球。今年もルーキー以外の選手では水上由伸(西武)、高橋宏斗中日)、高部瑛斗(ロッテ)、岡林勇希(中日)などが大きく成績を伸ばした。そこで今回は少し気が早いが、来年ブレイクが予想される選手を期待度順にランキング形式で紹介したいと思う。対象は来年のルーキー以外で、新人王の資格を有する選手とした。まずはセ・リーグ編だ。

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■5位:勝又温史(DeNA・外野手・2018年ドラフト4位)

 投手としてプロ入りするも、制球難に苦しみ昨年オフに自由契約となり、野手として育成再契約。今年が野手としては1年目のシーズンながら二軍では69試合の出場で打率.293、6本塁打の成績を残し、シーズン終了後のフェニックスリーグでも見事な活躍を見せた。フォロースルーの大きいスイングは迫力十分で、長打力は大きな魅力。高校時代から運動能力の高さにも定評があり、足と肩も高い水準を誇る。まずは支配下に復帰することが目標となるが、キャンプからアピールして外野手の定位置争いに加わりたい。

■4位:高寺望夢(阪神・内野手・2020年ドラフト7位)

 上田西時代からミート力の高さには定評のあった内野手。1年目は二軍でも結果を残すことができなかったが、2年目の今シーズンは大きく成績を伸ばし、一軍でもプロ初ヒットを放つなど成長ぶりを見せた。バットの無駄な動きがなく、スムーズな振り出しで広角に打ち分ける打撃が持ち味。ホームランはそれほど多くないが、決して非力な感じはなく、外野の間を抜く打球も多い。二軍で14盗塁をマークしているように脚力も持ち味だ。岡田彰布新監督も二遊間のてこ入れを明言しているだけに、課題の守備がレベルアップすれば一軍抜擢の可能性も高くなるだろう。

■3位:森翔平(広島・投手・2021年ドラフト2位)

 高校時代は無名だったものの、関西大、三菱重工Westで大きく成長し、ドラフト2位という高い順位でプロ入りを果たした。ルーキーイヤーの今年はキャンプ、オープン戦で結果を残すことができず開幕一軍は逃したものの、二軍でしっかり結果を残し、9月7日の中日戦では一軍でプロ初先発初勝利をマーク。ストレートは140キロ台中盤と驚くようなスピードはないが、サウスポーらしいボールの角度があり、多彩な変化球も操る。厳しいコースを狙いすぎるのは課題だが、コントロールも決して悪くない。チームは左の先発投手が不足しているだけに、2年目の来年は先発ローテーション入りを目指したい。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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