巨人の岡本和真
巨人の岡本和真

 契約更改の査定は難しい。波紋を呼んだのが巨人の主力選手たちの推定年俸だった。

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 今季は度重なる故障で83試合出場にとどまった坂本勇人は、固定制で現状維持の年俸6億円でサイン。23試合の先発登板で10勝7敗、防御率3.12をマークした菅野智之は1億円減の年俸5億円だった。大幅アップを勝ち取ったのが、中田翔だ。昨オフは1億9000万円減の年俸1億5000万円と大幅に下がったが、今オフは1億5000万円増の年俸3億円で3年契約を勝ち取った。109試合出場で打率.269、24本塁打、68打点と残した数字以上に貢献度が高い。前半戦に打撃不振でファーム降格を味わったが、フォーム改造を断行して復活した。インサイドアウトのスイングから粗さが消え、確実性が上がると打率が2割1分台から一時は3割近くまで上昇。8月上旬から打撃不振の岡本和真に代わり、シーズン終了まで4番を務めた。守備も一塁手部門で史上初となるセ・パ両リーグでゴールデングラブ賞を獲得した。

 巨人を取材するスポーツ紙記者は、こう振り返る。

「坂本は2019年から5年契約を結んでおり、今年だけでなくこれまでの貢献度を加味した年俸になっている。菅野は2年ぶりの2ケタ勝利を挙げましたが、好不調の波が激しくかつての絶対的エースとしては物足りない。中田は大幅減俸した分を全てではないですが、取り戻した感じですかね。大幅に年俸を上げたとは感じましたが、期待料を込めていると思います。来季以降も主軸で活躍してもらわなければ困る選手ですから」

 チームは5年ぶりのBクラスに低迷したが、奮闘した選手たちは笑顔の契約更改となっている。新人で守護神として大活躍した大勢は4100万円増の年俸5700万円、チームトップの12勝をマークした戸郷翔征は5000万円増の年俸9000万円、自己最多の132試合に出場し、チームトップの打率.277をマークした吉川尚輝は年俸3000万円増の7000万円、自己最多の13本塁打をマークした大城卓三は2500万円増の年俸8000万円でそれぞれサインした。

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