新庄監督率いる日本ハムは来年日本一になれるのか?
新庄監督率いる日本ハムは来年日本一になれるのか?

 新庄剛志新監督の就任が大きな話題となったものの、5位に大差をつけられての最下位に終わった今年の日本ハム。2年目も続投が決まった新庄監督は就任会見での「優勝なんか目指しません」という発言から一転、最終戦のセレモニーでは「日本一だけを目指してぶれずに頑張っていきます」と宣言し、2年目に向けての意気込みを語ったが、果たしてその可能性はどの程度あるのだろうか。少し気が早いが、今年の戦いぶりとオフのここまでの補強などから探ってみたいと思う。

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 改めて今シーズンの主な数字を振り返ってみると、以下のようになっている。

■得点:463(リーグ6位)
■打率:.234(リーグ4位)
■本塁打:100本(リーグ4位)
■盗塁:95(リーグ3位)
■失点:534(リーグ5位)
■防御率:3.46(リーグ5位)
■セーブ:25(リーグ6位)
■ホールド:102(リーグ6位)

 盗塁数以外は軒並みリーグの下位に沈んでおり、あらゆる数字が最下位という結果をよく表している。攻撃面でここに出ている指標以外で気になるのは、四球の少なさだ。四球の合計は352個でリーグ最下位となっているがトップとなった楽天(535個)とは200個近い差があり、5位のソフトバンク(420個)と比べても相当少ないことがよく分かる。四球が少ないということは当然それだけ出塁率も低く、.292という数字はパ・リーグだけでなく12球団でも最下位となってしまっている。ちなみにホームラン数は3位の楽天の101本と1本差の4位だが、得点数は楽天と70の差をつけられている。積極的に打っていくことを求めていた新庄監督の方針がよく出ていたとも言えるが、得点力を上げるには出塁率の改善が必要なことは明らかと言えるだろう。

 一方の投手陣で課題となるのはリリーフ陣だ。セーブ、ホールドともリーグ最下位の数字となっており、10以上のセーブ、20以上のホールドをマークした選手は1人もいなかった。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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今オフの戦力的な“上積み”は?