阪神では2年でわずか1勝に終わったチェン
阪神では2年でわずか1勝に終わったチェン

 チームの成績にも大きく左右することが多い外国人選手。シーズン前の期待通りに成績を残す選手は多くないが、逆に期待以上の働きを見せる選手も確かに存在している。そんな外国人選手について、今シーズンの活躍ぶりと年俸などからベスト3とワースト3を選出してみたいと思う。今回はセ・リーグ編だ。

【写真】セ・リーグ、ワースト3のメンバーの一人がこちら

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■3位:ウォーカー(巨人・推定年俸3300万円)

124試合 110安打23本塁打52打点5盗塁 打率.271

 独立リーグでの活躍が認められて今シーズンから巨人に入団。メジャーでのプレー経験がないこともあって年俸も安く、当初の位置づけは外野のバックアップ要員と見られていたが、代打で結果を残すと4月中旬からはレギュラーに定着。夏場に少し成績を落としたものの、シーズン終盤は再び調子を取り戻し、最終的には23本塁打をマークした。外野の守備はかなり不安があり、出塁率も低いなど課題はあるが、年俸と入団前の期待度を考えれば十分な働きだったと言えるだろう。

■2位:マクガフ(ヤクルト・推定年俸1億2100万円)

55試合 2勝2敗38セーブ4ホールド 防御率2.35

 2019年に来日し、4年連続で50試合以上登板をマークしたヤクルトの誇る鉄腕。昨年から抑えに定着し、クローザー2年目となった今年は開幕から18試合連続無失点を記録するなど来日以降最高の成績を残した。時折手痛い一発を浴び、フィールディングが不安定なのは弱点だが、常に150キロを超えるスピードを誇り、奪三振率も高い。外国人選手とは思えないクイックの速さも持ち味だ。来年もチームの守護神として期待される。

■1位:R.マルティネス(中日・推定年俸2億円)

56試合 4勝3敗39セーブ5ホールド 防御率0.97

 2017年に21歳(当時の満年齢)の若さで来日し、年々力をつけて球界を代表するクローザーへと成長した。今年は2試合目の登板となった3月31日のDeNA戦で負け投手になったものの、その後は28試合連続無失点を記録。登板した56試合中50試合で無失点と圧倒的な安定感を見せ、マクガフとのタイトル争いを制して初の最多セーブにも輝いた。コンスタントに150キロ台後半をマークするストレートと鋭く落ちるスプリットが武器で、どちらも狙っていても打つのは難しいボールだ。今年で26歳とまだまだ若く、今後も数多くのタイトルを獲得する可能性は十分だ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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