阪神・岩崎優
阪神・岩崎優

 岩崎優の残留は阪神にとって今オフ最大の補強だ。安定感抜群のセットアッパー左腕は、勝利の確率を高めてくれる重要な戦力。“独特のキャラクター”でファンからも人気を得る男は来季以降も縦縞のユニフォームを着てプレーする。

【2022年セ・リーグ個人年俸上位20傑はこちら】

 岩崎は今季取得したFA権を行使したうえでチームに残ることが決まった。岡田彰布監督が就任し、「アレ=優勝」を目指すために欠かせない岩崎の去就はシーズン中から注目されていた。残留について関係者、ファンの多くが安堵したのは想像に難くない。

「NPB屈指のリリーフ投手でどんな局面でも頼りになる。普段は口数も少なくシャイに見えるが、時折見せるかわいらしさがある。ルックスも優しい系の良い男。チーム内での人気も上位に入る選手」(阪神関係者)

 今季の成績は57試合登板し、1勝6敗11ホールド28セーブ、防御率1.96。昨年までチームの抑えを任されていたスアレスがメジャーリーグのパドレスへ移籍したことでセットアッパーではなく抑えとしての起用が増えた。大事な場面で打たれることもあり、負け数が「6」と増えたことで、バッシング対象となったこともあった。

「セットアッパーは仮に打たれても味方の攻撃に期待できる。しかし抑えは点を取られた瞬間に味方の勝利を消してしまう可能性もあり、場合によっては敗戦が決定する。自分より前に投げていた他投手の成績を悪くすれば、その人の生活にも関わりかねない。相当な重圧がかかっていたはずです」(在京球団編成担当)

「マイペースな男に見えるが周囲への気配りがすごい。若手が調子を落としていると何気なく話しかけている姿を見かける。投手だけでなく野手に対しても同様。そういう男だから、抑えで結果が出なかった時には、かなり気にしているようだった」(阪神関係者)

 今季は慣れないクローザーという役割に戸惑った感もあったが、それでも岩崎の存在なしにチームのAクラス入りは語れない。長年阪神のプルペン陣を支えてきた左腕は来季以降も優勝のためには必要な存在だ。

次のページ
塩対応で有名な岩崎の“真の姿”とは