楽天・西川遥輝(左)とソフトバンク・ガルビス(右)(写真提供・東北楽天ゴールデンイーグルス/福岡ソフトバンクホークス)
楽天・西川遥輝(左)とソフトバンク・ガルビス(右)(写真提供・東北楽天ゴールデンイーグルス/福岡ソフトバンクホークス)

 プロ野球の2022年シーズンが終了した。今季も期待を上回る活躍を見せた選手が多くいた一方で、不振に喘ぎ、開幕前に描いていた青写真とは大きく異なる苦しいシーズンを過ごした選手たちがいた。実績のある選手、年俸の高い選手ほど、その風当たりは強い。そんな期待を裏切った“ワーストナイン”をセ・パ両リーグ別に選出したい。今回はパ・リーグ編。(文中の年俸額はすべて推定)

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<投手>
■石川柊太(ソフトバンク)

 オフに4000万円増となる年俸1億2000万円で契約を更改して臨んだ今季、先発として23試合に登板して7勝10敗、防御率3.37。この数字だけ見ると2ケタ敗戦が気になるとはいえ「決して悪くない」数字だとも言えるが、実際は好不調の波が激しく、5月15日の日本ハム戦で4回途中7失点KOを筆頭に大量失点する試合が目立った。その結果、QS率(6回以上を自責点3以下)は、今季パ・リーグで20試合以上に先発した21投手の中で、西武のエンス(10勝7敗、防御率2.94)のQS率40.9%に続いてワースト2位のQS率43.5%。そして与四死球65は両リーグワースト。優勝を狙うチームの先発投手、そして1億円プレイヤーとしては非常に物足りないピッチングだった。

<捕手>
■甲斐拓也(ソフトバンク)

 東京五輪で正捕手を務め、栗山英樹監督が率いる新生侍ジャパンにも選出された誰もが認める実力者だが、今季は130試合で打率.180、1本塁打、27打点という成績。打率は1軍に定着した2017年以降自己最低で、3年連続でマークしていた2ケタ本塁打も途絶えた。もちろん捕手というポジションは“守り”が優先だが、その守備でも今季は失策数が昨季の1から6へ大幅増。さら自慢の“肩”でも、昨季は盗塁阻止率.452を誇っていたが、今季は.343に低下し、盗塁阻止率リーグトップの座を佐藤都志也(ロッテ)に譲った。チームへの貢献度は数字以上のものがあるとはいえ、正直、数字だけを見ると納得できるものではない。昨季から4500万円増の年俸2億1000万円で迎えたシーズンだっただけに、尚更だった。

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高額年俸で来日の助っ人も…