巨人・原辰徳監督
巨人・原辰徳監督

 今季は原辰徳監督が2019年に就任以来、初のBクラスに終わった巨人。来シーズンは優勝奪回が至上命令とされており、今オフにはなりふり構わない大補強が敢行されると言われている。だが、若手育成を望む関係者、そしてファンからは現有戦力で戦って欲しいという声も少なくない。

【写真】巨人が獲得に興味を示していると噂のある話題の選手はこちら

 またFA市場では、浅村栄斗(楽天)、外崎修汰(西武)、西川龍馬(広島)、中村奨吾(ロッテ)、西勇輝(阪神)らが立て続けに残留を表明。加えてFAを行使した選手との争奪戦でも、昔のような優位性もなくなっている。

「巨人の補強ポイントと合致する選手が市場に出てこない。獲得に前向きとされる森友哉(西武)に関しても劣勢が伝えられる。かつてにように獲得に乗り出した選手の総取りができるような状況ではない」(巨人担当記者)

 原監督は「FAしたら参加するのが巨人」と過去に発言したこともあるが、FA選手を補強する気持ちがあっても、移籍市場に選手がいなければ動くにも動けない。

 今年だけではなく最近のFA市場を振り返っても、球界の流れは変わってきているように思える。2020年オフにはヤクルトが巨人入りも噂された山田哲人、小川泰弘の引き留めに成功。その後のシーズンでは2年連続で勝率が5割を切った巨人を尻目にヤクルトはリーグ連覇を果たした。相手チームから引き抜いた戦力で優勝するという従来のやり方が通じなくなってきているとも感じる。

「各球団が巨人に負けないほどの好条件を提示するようにもなった。以前は巨人OBなら引退後の仕事に困ることもなかった。だが今では地域密着が進み、フランチャイズのある地元で仕事を得る選手もいる。それも長年在籍した球団で選手生活を終える選手が増えている理由の1つ」(在京球団編成担当者)

「(FA選手の獲得ができないのは)巨人の魅力が低下していることもある。日本シリーズでソフトバンクに2年連続で4連敗を喫するなど、頂点を狙える強さもなくなった。グラウンド外での問題も多く世間的な逆風も強い。そしてFAで移籍しても結果を出せなければ、簡単に戦力外にされてしまう心配がある」(マネージメント会社関係者)

次のページ
大型補強を“望まない”声も