Tシャツにデニム、そしてマディソンブルーのGジャン型ジャケット、というシンプルコーデ。このジャケットは「きれいなスカートと合わせるとシックに決まります」
Tシャツにデニム、そしてマディソンブルーのGジャン型ジャケット、というシンプルコーデ。このジャケットは「きれいなスカートと合わせるとシックに決まります」

 53歳でインスタグラムをはじめ、日々のコーディネートをアップし続けた結果、ファッションブランドのディレクターになった女性がいる。石橋洋子さん。11月17日で60歳になる。

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 60歳という年齢も、153センチという身長も、そして元看護師という経歴も、5万6000超のフォロワーを抱える「ファッションアイコン」からは遠く感じる。彼女のファッションの何が、人々を引き付けているのか。

 バブル世代の石橋さんは、とにかくおしゃれが大好き。1980年代から90年代にかけて、目まぐるしく変わるファッションの流行も、
「全部受け入れて、めいっぱいおしゃれを楽しんできました」
 と話す。だからこそ、60歳を目前にして、
「シンプルで質のいい服を長く着たい。シンプルな服をどう着崩すかがコーディネートの面白さだから。背が低くても、年齢を重ねていても、これが自分らしくファッションを楽しめる秘訣!」
 という心境にたどり着いた。

 試行錯誤の結果、石橋さんがたどり着いた「アンダー153センチ、60歳」がカッコよく服を着こなすための「大人コーデ」ルールはこうだ。

<その1> シンプルであること

 看護師として働いたお金はすべて、洋服につぎ込んできたという石橋さん。60歳を前に「やっとわかった」のは、自分の基本はトラッドだということ。シンプルが一番で、そこに色や小物、アクセサリーを足したり、抜け感が出るように着くずしたりする。これが、石橋さんが考える「大人カジュアル」だ。

 いま、洋服を買うときの基準は「70歳、80歳でも着られる」かどうか。その基準に照らして購入したものの代表例が、マディソンブルーのGジャン型ジャケットだという。スタイリストとして活躍してきた女性が2014年に立ち上げたブランドで、高価だが、石橋さんが購入したジャケットはシャネルと同じ素材で作られていて、ボタンは本物のパール。ジャケットには丈が短い、長いなどの流行があるが、Gジャンの形は絶対に変わらない。それならずっと着られる、と考えたことが購入の決め手になった。

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色は数とトーンを考える