ともに所属チームから自由契約となった山口俊(左)と金子千尋(右)(写真提供・読売ジャイアンツ/北海道日本ハムファイターズ)
ともに所属チームから自由契約となった山口俊(左)と金子千尋(右)(写真提供・読売ジャイアンツ/北海道日本ハムファイターズ)

 今季限りで所属球団を自由契約となった山口俊(前巨人)と金子千尋(前日本ハム)。

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 ともに現役続行を希望しているが獲得に動くチームは出てくるのだろうか。近年のパフォーマンスから限界説も囁かれているが現場の評価は意外に高い。

「今はブルペン陣を強化して継投ありきで投手起用を考える球団が増えた。先発投手は無理をせずに年間を通じてローテーションを守ることを最優先にする。2人はこれまで多くの場数を踏んでおり、(先発投手として)相手の目先を変えながら試合を作ることができる能力があるのが大きい。(リーグを制覇した)オリックスヤクルトの両球団も優勝の原動力はブルペンだった。リリーフが頑張れば、先発投手の負担が減る好循環も生まれる。日本シリーズではエース山本が故障しても、オリックスは戦い抜くことができた。山口、金子は先発のみではなく、ブルペンの経験があるのも大きい」(在京球団編成担当)

 山口は横浜時代にクローザーとして2年連続で30セーブ以上をマークしたこともある。また、金子も日本ハム移籍後に第二先発や中継ぎの経験も積んだ。チームの状況に応じて先発、救援と臨機応変に起用することも可能だ。加えて年俸も低く抑えて獲得することができるのも魅力となる。

 山口は2005年に柳ヶ浦高から高校生ドラフト1位で横浜に入団。在籍11年間で39勝111セーブをマークすると、2016年オフにFAで巨人に移籍を果たした。巨人では主に先発を務め、2019年には15勝4敗、188奪三振、勝率.789の成績で、最多勝、最多奪三振、最高勝率のタイトルを獲得している。

 同年オフにポスティングシステムを利用してMLBのブルージェイズに移籍。しかしメジャーでは結果を残せず、2021年シーズン途中に古巣の巨人へ出戻った。復帰したシーズンでは15試合の先発登板で防御率3.56とまずまずの投球を披露したが、今年は怪我もあり一軍では1試合の登板のみとなった。キャリアの正念場を迎えてはいるが、能力的にはまだまだやれるという声は多い。

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2人の獲得に動く球団は多い?