安倍晋三元首相の県民葬で、遺族代表としてあいさつする安倍昭恵さん
安倍晋三元首相の県民葬で、遺族代表としてあいさつする安倍昭恵さん

 10月31日、安倍晋三元首相の夫人・昭恵さん(60)が経営していた東京・神田の居酒屋「UZU(ウズ)」が閉店した。

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 最終日、店の前に報道陣が10人ほど集まる中、昭恵さんは午後6時ごろに店を訪れ、2時間あまり滞在した。午後8時、「迎車」のランプをつけたタクシーが横付けされると、昭恵さんは店員たちに守られながら一人でタクシーに乗り込んだ。店員たちに手を振ると同時に、報道陣にも会釈するなど配慮をみせた。

「今日はスタッフと関係者の慰労会のようなものです。昭恵さんが何を語ったかは話せないが、ほとんど(お酒は)飲んでいなかった」(男性店員)

10月31日で閉店した居酒屋「UZU」(撮影/上田耕司)
10月31日で閉店した居酒屋「UZU」(撮影/上田耕司)

 UZUがオープンしたのは2012年10月。約10年で閉店となったが、女性店員はこう話す。

「(閉店は)やっぱり感慨深いものがあります。これから片づけです。大体の店員たちは、次の就職先は決まっています」

 店の備品の納入会社によれば、数日以内に店内を片づけるという。

 UZUは、晋三氏の故郷の山口県下関市の「UZU農場」で育てた無農薬の米を使い、その他の食材も「無農薬、無添加」の国産食材を厳選して料理を提供してきた。昭恵さんの“こだわり”が詰まった店だった。

 昭恵さんの知人は店を閉めた理由をこう話す。

「晋三さんが亡くなる前、昭恵さんは富ケ谷(渋谷区)の自宅に、ずっと晋三さんの母・洋子さんと一緒に3人で暮らしていましたが、やはり一人でいられる時間も欲しかったようです。そこで、気分転換にもなると思って『UZU』を始めたんです。昭恵さんはたくさんの人に囲まれて、にぎやかな雰囲気でいるのが好きな性格。店には晋三さんの考えに共鳴する人たちも多くやって来て、食事をしながらいろいろな話をする場所でもあった。晋三さんがいなくなった今、あえて続ける理由もなくなったのでしょう」

 晋三氏が亡くなる数カ月前、UZUに行ったという近所の女性はこう話す。

「5~6人でふらりと店に入ったんですが、コロナの影響なのか、その頃は予約無しでも入れました。私たち以外にはお客さんもいませんでした。でも晋三さんが亡くなってから再び注目されたのか、予約が一杯のようで、毎日お客さんがたくさん入っていますね」(近所の女性)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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