来季からチームを指揮する広島・新井貴浩監督
来季からチームを指揮する広島・新井貴浩監督

 広島の新たな指揮官に就任した新井貴浩監督はチームに何をもたらすのか。

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 現役時代からの愛されキャラは変わらず、各方面から“イジられ”ながらもチーム再建への強い決意を感じさせる。広島の黄金時代復活に向け「新井さん」には大きな期待がかかっている。

 10月12日にマツダスタジアムで行われた就任会見は、笑いが絶えず和やかな雰囲気で進んだ。監督としての滑り出しは素晴らしいものとなった。

 新井監督は地元広島出身で1998年に駒澤大からドラフト6位でカープに入団。2007年オフにFA権利を行使して阪神に移籍したが、2014年オフに古巣へと舞い戻り広島では13年間在籍した。右の大砲として広島時代の2005年には本塁打王を獲得。また、2006年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、2008年の北京五輪では日本代表としてもプレーしている。広島が25年ぶりのリーグ制覇を果たした2016年にはリーグMVPを受賞し、3連覇を達成した2018年限りで現役引退した。

「いつかは広島の監督になるとは思っていたが、指導者経験がないままの抜擢には驚かされた。来季の指揮官には野村謙二郎氏、緒方孝市氏、金本知憲氏など監督経験者の名前が挙がっていました。経験豊富な指導者のもとで(新井監督は)二軍の監督やコーチなどのポストから指導者のキャリアを始めると思われていた。球団全体が新しい挑戦に挑む決意の表れにも感じる」(広島担当記者)

「大学時代は身体の大きさや打撃の才能は感じたが、不器用な選手で指名を見送った球団もあった。大卒6位指名という評価の低さが物語っている。しかし根っから真面目な男は、努力で今の地位まできた。そういった野球への真摯な姿勢はチーム全体に好影響を与えそう」(在京球団編成担当)

「誰からも愛される人格者。阪神に移籍したことで1度はファンの反感も買ったが、広島への献身性が周囲を惹きつけた。どんな練習メニューにも手を抜かなかったのは、ベテランになっても変わらなかった。自分自身に厳しい男。自身と同じような姿勢を選手に求めるのではないか」(広島関係者)

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新井監督の“強み”は?