ともに“レジェンド級”の成績を残したがワールドシリーズとは無縁だったケン・グリフィーJr.(左)とイチロー(右)(AP/アフロ)
ともに“レジェンド級”の成績を残したがワールドシリーズとは無縁だったケン・グリフィーJr.(左)とイチロー(右)(AP/アフロ)

 大谷翔平の活躍とは裏腹に所属するエンゼルスは低迷している。今年も2014年以来となるプレーオフ進出を目指し開幕から順調に勝ち星を重ねていたが、5月後半から球団ワーストとなる14連敗を喫するなど、早い段階でポストシーズンに向けての戦いから脱落となった。

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 大谷も当然自身の成績だけではなく「勝てる球団」に所属し、チームとして究極の目標であるワールドシリーズ制覇を成し遂げることを望んでいるだろう。だが、これまでプレーオフの出場すらなく、ワールドシリーズは大谷にとって今のところ縁遠い舞台となっている。とはいえ、球団数(1998年から30チーム)が多いメジャーリーグでは、スター選手として球史に残るような成績を残しながらも、ワールドシリーズでのプレーとは無縁のままキャリアを終えた選手も少なくない。

 最も有名な一人は、イチローも憧れたプレイヤーとしても知られるケン・グリフィーJr.(マリナーズ、レッズ、ホワイトソックス)だ。2016年の殿堂入り投票でも資格取得1年目にして得票率99.3%を得たことからも分かるように、現役時代はシーズンMVPに1度、本塁打王に4度、ゴールドグラブ賞に10度輝くなど文句のつけようのない結果を残した。

 だが、ワールドシリーズでプレーしたことはなく、プレーオフに出場したのも3度のみ。マリナーズでは球団歴代1位の417本塁打を放つなど、チームの歴史を彩ってきたのは間違いないが、世界一を争う舞台ではプレーすることなく現役を退いた。結局、現役22年間でワールドシリーズに出場することなくプレーしたレギュラーシーズンの試合数は歴代2位となる2671試合。自身の偉大な記録とは対照的に所属するチームが勝てなかった選手として語られることも多い。

 そのグリフィーJr.に次ぐ、“ワールドシリーズ出場なし”の試合数(2653)が多いのが、2009年から2年間グリフィーJr.ともプレーしたイチローだ。長年所属したマリナーズは移籍初年度の2001年こそメジャー記録となるシーズン116勝を挙げるなど、強さを発揮していたが、その後は長期間にわたって低迷。イチローが在籍した14年間でプレーオフに進出したのは2001年が最初で最後となった。

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史上最もワールドシリーズと無縁の選手とは?