高松商・浅野翔吾外野手の交渉権を獲得してガッツポーズする巨人・原辰徳監督(左)、右は阪神・岡田彰布監督(代表撮影)
高松商・浅野翔吾外野手の交渉権を獲得してガッツポーズする巨人・原辰徳監督(左)、右は阪神・岡田彰布監督(代表撮影)

 ヤクルトが2年連続リーグ制覇を飾った今季のセ・リーグ。2位は8月に驚異的な追い上げを見せたDeNAだった。

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 ヤクルトとDeNAが共にAクラス入りしたのは、2001年以来21年ぶり。優勝争いを繰り広げたのは1997年にさかのぼる。この時も今年のペナントレースと展開が似ていた。首位を快走するヤクルトに対し、横浜が夏場以降に猛追して3.5ゲーム差まで接近。9月2日に横浜スタジアムで行われた首位攻防戦でヤクルト・石井一久(現楽天監督)がノーヒットノーランの快挙を達成し、横浜の「マシンガン打線」を封じ込めたことで流れが変わった。ヤクルトが再び勢いを取り戻し、2年ぶりのリーグ優勝を飾った。

 あれから25年の月日を経て、当時守護神を務めた高津臣吾監督率いるヤクルトと、先発ローテーションで稼働した三浦大輔監督が指揮を振るうDeNAとの激しい首位争いに、時代の流れを感じたファンも多いのではないだろうか。一方で優勝争いから脱落した阪神は3位に滑り込むのが精いっぱいで、巨人は5年ぶりのBクラスとなる4位に低迷。「伝統の一戦」が盛り上がったとは言えなかった。

 17年連続V逸となった阪神は岡田彰布新監督が就任。2004~08年に指揮を振るい、05年にリーグ優勝へ導いている。今月16日に開かれた監督就任会見のコメントは興味深かった。

 15年前と意識を変える部分について質問が及ぶと、「中日、巨人はもっと強かったけどね。今見てもあんまり強いチームはないですよね。どの辺までのレベルに上げていったら勝てるのかとかね。それは現場で試合をやっていく中でわかると思うので」と発言。宿敵・巨人についての思いを聞かれ、「別にないですけど。昔は巨人戦、巨人戦ってなったけど。選手もそういう意識はないんじゃないかな。どこに勝っても1勝。今年の成績を見ると、巨人も補強とかで対策は練ってくると思うけど、それほど意識はしないですね。原(辰徳)監督も昔から知ってるから、全然大丈夫です、何があっても。今はヤクルトじゃないですか。みんなが打倒ヤクルトでいくんじゃないですか。そういう意味では、あまり巨人は意識しないですね」と淡々と語った。

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