「NOHGA HOTEL KIYOMIZU KYOTO」のルーフトップバー。清水寺や五重の塔が見えるのに、海外旅行のような気分になるから不思議
「NOHGA HOTEL KIYOMIZU KYOTO」のルーフトップバー。清水寺や五重の塔が見えるのに、海外旅行のような気分になるから不思議

 京都市が取りまとめ、2022年6月に発表した「令和3年 観光客の動向等に係る調査」によると、21年の「宿泊客数」は516万8000人。コロナ禍前の19年と比較すると60.7%も減少している。20年との比較は2.7%減。世界有数の観光都市である京都は、2020年に前年の半数を超える宿泊客を失い、その状態が2年連続で続いた、ということになる。

【写真】大パノラマ!「空庭テラス」からの眺め

 だが、観光客が半減した2年間も、京都は「進化」をやめなかった。行動制限なしで迎える2022年秋、京都に行くなら、その進化が生み出した最新トレンドを見逃す手はない。最大の進化ポイントはホテルだ。コロナ禍も、京都ではホテルの開業ラッシュが続いた。注目のキーワードは「ルーフトップ」と「再生」――。

 野村不動産グループが手掛ける「NOHGA HOTEL KIYOMIZU KYOTO」のルーフトップにあるのは、その名も「ルーフトップバー」。近接する清水寺、法観寺の八坂の塔、京都タワーはもちろん、京都市内を360度見渡すことができ、観光客ならずとも一度は訪ねたい新名所となっている。宿泊客以外も利用可能できるのがうれしい。

「四条河原町温泉 空庭テラス京都」ルーフトップにある空庭テラスからの眺め。こんなパノラマ、見たことがない
「四条河原町温泉 空庭テラス京都」ルーフトップにある空庭テラスからの眺め。こんなパノラマ、見たことがない

「四条河原町温泉 空庭テラス京都」は、今まで見たこともない絶景が魅力のルーフトップ「空庭テラス」を備える。目の前に広がるのは、東山の大パノラマ。併設の足湯や最上階の天空の露天風呂は、敷地内から湧き出る自家源泉の天然温泉だ。9階にある「天空露天風呂」からは、深さ1.2メートルの立ち湯から、同様の大パノラマを楽しめる。こちらは宿泊客のみの利用となっている。

 そして、「再生」が生んだ新ホテルが「丸福樓」。任天堂が1889(明治22)年から歴史を刻んできた京都・鍵屋町に立つ、22年4月に開業したばかりの新ホテルだ。かつてはカルタや花札の製造販売所として、あるいは任天堂創業家・山内家の住居として利用されてきた歴史的建造物である旧本社が、全18室のホテル「丸福樓」として生まれ変わった。

次のページ
疲れた体と心も再生