西尾典文
今年のドラフトが本日開催されたが、来年のドラフト戦線も各カテゴリーで既に動き始めている。今回はそんな2023年を騒がせることになりそうな有力選手をいち早く紹介する。
まず高校生の投手ではセンバツ高校野球優勝にも大きく貢献した前田悠伍（大阪桐蔭）の名前が挙がる。逸材が揃うチームの中でも1年秋から主戦となり、その投球術はとても高校2年生とは思えないレベルにある。夏は少しスピードが上がったことによる反動で制球が不安定になっている印象を受けたが、秋はしっかり調整してここまで圧巻の投球を見せている。今週末に行われる近畿大会でも再注目の選手と言えるだろう。
同じサウスポーでは東松快征（享栄）、右投手では平野大地（専大松戸）、坂井陽翔（滝川二）などが有力候補だ。東松はコンスタントに145キロを超え、ストレートだけなら前田にも引けを取らない。人気を集めやすいサウスポーだけに春以降も注目を集めることは間違いないだろう。平野と坂井も既に150キロ近いスピードを誇り、フォームも安定している。平野は千葉県大会を勝ち抜いており、関東大会でも快投に期待だ。
野手では堀柊那（報徳学園・捕手）、佐々木麟太郎（花巻東・一塁手）、真鍋慧（広陵・一塁手）、佐倉侠史朗（九州国際大付・一塁手）、明瀬諒介（鹿児島城西・一塁手）などの評価が高い。佐々木、真鍋、佐倉の3人は昨年出場した明治神宮大会で揃ってホームランを放った強打者。ハイペースで高校通算本塁打を積み重ねている佐々木に注目が集まっているが、他の3人も遠くへ飛ばす能力の高さは抜群で、体格的なスケールも申し分ない。1人だけ大舞台の経験はないものの、右打者である明瀬が意外に人気を集める可能性もありそうだ。堀は抜群の強肩が魅力のキャッチャー。旧チームから不動の正捕手で、今年の3年生の中に入れてもそのスローイングはトップクラスである。将来の正捕手候補が欲しい球団にとっては狙い目の選手となりそうだ。
西尾典文
西尾典文／1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所（PABBlab）」でも毎日記事を配信中。
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