中日の一軍打撃コーチに就任した和田一浩氏(※画像は現役時代)
中日の一軍打撃コーチに就任した和田一浩氏(※画像は現役時代)

 中日の一軍打撃コーチに和田一浩氏が就任することが決まった。貧打がチーム低迷の原因となっているのは明白なだけに、打線の底上げに大きな期待がかかっている。

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「立浪監督から『来年から手伝ってくれないか』と連絡があった。どうにかして恩返ししたい」(10月13日、和田一軍打撃コーチ)

 NPB史に残る右の強打者が指導者として中日に戻ってくる。和田氏は96年のドラフト4位で西武入りし、08年から中日でプレー。通算で1968試合に出場し、2050安打、319本塁打、1081打点と現役時代の実績は文句なしだ。

「ベンちゃんの愛称で関係者、ファンから愛された。野球に対する真摯な姿勢が素晴らしく、結果も伴っていたので誰もが認めるリーダーだった。穏やかな対応でファンからも愛されている。立浪監督就任時に入閣すると思われていたが叶わなかった。1年遅れですが心強い男が戻ってきた」(中日関係者)

「求められるものは明確。打線の徹底的なレベルアップです。今季、最下位となったのも打線が足を引っ張ったのは数字が如実に表している。ドラフトで好素材を獲得できており、楽しみな選手は多いが出てこない。特に野手に関しては主砲ビシエドに頼り切り。打てる野手を育て作り上げることが重要」(中日担当記者)

 和田コーチが現役時代の2010年に37本塁打を放った後、中日からはシーズン20本塁打以上を記録した日本人選手が出ていない。最下位となった今季は本塁打数(62本)、得点(414点)は12球団最少で、1試合の平均得点は2点台。完封負けは球団ワースト(26回)を更新するなど、打線の強化がチームの明暗を左右するのは明らかだ。

 和田新コーチについては「新しいアイデアや教え方があると思う。根気よくやらせるというところも含めて非常に期待している」と立浪監督が語るなど打線強化の起爆剤として期待値は高い。

 だが、昨年オフに同職に就任した中村コーチも当初は同じように期待は高かった。現在は二軍の打撃コーチを務めているが、今後はどんな“役割”をチームで求められるのだろうか。

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和田&中村コーチのコンビは期待できる?