パドレスのダルビッシュ有(UPI/アフロ)
パドレスのダルビッシュ有(UPI/アフロ)

 プレーオフの第二ラウンド、3戦先勝のナ・リーグ地区シリーズでロサンゼルス・ドジャースに1敗を喫していたサンディエゴ・パドレスは、第2戦にダルビッシュ有を登板させ勝利を手にした。ダルビッシュのドジャースタジアムでのプレーオフでの登板は、2017年のワールドシリーズ以来。当時の試合は、現地でも今なお語り草になっている。しかも今回もパドレスが負ければ後がなくなる一戦必勝の試合。そのような状況での勝利に現地評価も上々だ。

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 そもそも、今プレーオフにおいて、今季16勝のベテラン右腕への期待は相当に高かった。パドレスの地元紙『サンディエゴ・ユニオン・トリビューン』は試合前日のコラムでダルビッシュの2017年のポストシーズン成績を紹介しながら、ダルビッシュ本人がメディアに語った「あの頃(2017年)と違うピッチャーになった気がする」という言葉を引用し「明らかに違う」と期待。

 ダルビッシュは10月7日(現地時間:以下同)、敵地で行われたニューヨーク・メッツとのワイルドカードシリーズ第1戦で先発登板。MLB通算201勝、サイ・ヤング賞3度受賞の大エース、マックス・シャーザーと対決。味方打線の爆発もあったが、シーズン101勝のメッツ打線を完全に7回6安打1失点と快投。前所属シカゴ・カブスの専門メディア『ダ・ウィンディ・シティ』から「この元シカゴ・カブスのエースはプレーオフ開幕戦で最高であった」と絶賛されるほど、全米にその実力を見せつけた。

 その結果、地元メディアはダルビッシュの活躍をさらに期待。しかし、ドジャースは簡単な相手ではない。相手先発に指名されたのは、ダルビッシュとも深い交流のあるMLB通算197勝とポストシーズン通算13勝の左腕、クレイトン・カーショー。前出の『サンディエゴ・ユニオン・トリビューン』からは「ダルビッシュは信頼できるが、パドレスはカーショーを超えなければならない」と、厳しい対決になることを予想。実際、ダルビッシュは初回から3回まで毎回被弾で3失点。そのうち1本は疑惑の判定の影響によるものだ。問題のシーンは2回、先頭のマンシーへの3球目がボールと判定された。ダルビッシュはその後同選手から被弾を浴びている。

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