今季から巨人でプレーしている助っ人のポランコ
今季から巨人でプレーしている助っ人のポランコ

 プロ野球もレギュラーシーズンが終了し、公式戦はクライマックスシリーズと日本シリーズを残すのみとなった。来季に向けての動きも徐々に出始めているが、今回は今年から日本でプレーし、去就が“微妙”となっている2022年の新外国人について触れてみたいと思う。

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 投手では期待の大きかったチャットウッド(ソフトバンク)がシーズン途中で退団となり、また最下位に沈んだ日本ハムも中軸候補だったヌニエスの退団が先日発表されるなど、わずか1年で日本を去ることになりそうな選手は少なくない。当落線上の選手としてまず注目されそうなのがポランコ(巨人)だ。

 メジャー通算96本塁打のパワーが持ち味で、今年は138試合に出場して24本塁打とホームランに関してはまずまずと言える成績を残している。しかし夏場以降は他球団の研究が進んだ結果もあってか成績を落とし、最終的な打率は.240という寂しい数字に終わっている。外野の守備に関しても緩慢なプレーが目立ち、貢献度は高くない。

 同じ外野手で新外国人のウォーカーが早々に残留確実という報道が出たのに対して、ポランコに関しては残留交渉は行うと見られているものの、2憶5000万円(推定)と言われている高額な年俸がネックとなることも考えられる。故障で今年長期離脱していた梶谷隆幸の状態や、フリーエージェントとなっている選手たちの補強次第では退団という可能性もなくはないだろう。ただ来年で32歳と年齢的にはまだ若く、やはり長打力は大きな魅力である。もし巨人を退団となったとしても、特に指名打者制のあるパ・リーグでは活躍することができる余地は十分にありそうだ。

 セ・リーグの野手でもう一人判断が難しそうなのが優勝したヤクルトでシーズン途中の4月に加入したキブレハンだ。最終的な成績は29試合の出場で20安打、6本塁打、14打点、打率.241と目立つものではなく、数字だけ見れば退団でも全く違和感はない。しかし8月27日のDeNA戦では1試合3本塁打を放っており、またシーズン終盤に調子を上げてきていたことも確かである。もう1年チャンスを与えてみても面白いのではと感じている関係者やファンも多いのではないだろうか。

 一方でヤクルトのチーム事情を考えるとオスナ、サンタナと力のある打者2人が揃っており、残りの外国人枠は投手に使いたいと考えるのも自然である。最終的にはポストシーズンでのプレー次第となりそうだが、右のパワーヒッターは貴重なだけに、退団となったら他球団が調査に乗り出すことも考えられるだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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投手で去就に注目が集まるのは?