ちょっとした心がけで睡眠の質は変わります ※写真はイメージです
ちょっとした心がけで睡眠の質は変わります ※写真はイメージです

 睡眠の最大の目的は、体と脳に休息を与えてメンテナンスをすることだといわれています。前編では「なぜ私たちは睡眠が必要なの?」そんな疑問を紐解いていきました。後編では、「寝つきが悪い」「寝てもスッキリ起きられない……」そんなお悩みを解消するちょっとした心がけと快眠のためのヒントをいりたに内科クリニック院長の入谷栄一先生にお聞きしました。本記事は、日本メディカルハーブ協会HPの記事を一部改変してお届けします。

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【快眠のための習慣1】規則正しい食事で体内時計を整える

 光の刺激と同様、朝食は、体内時計のズレをリセットするのに有効。朝食を摂ることで、眠りから活動へと体のリズムがシフトされ、気持ちよく1日のスタートを切ることができます。朝食を抜いて、昼、夜の食事時間が乱れると、体内時計の乱れにもつながります。規則正しい時間帯に3食を摂ることを意識しましょう。また就寝時に胃腸が活発に動いていると眠りが浅くなります。夕食は寝る3時間前に済ませることを心がけて。

【快眠のための習慣2】適度な運動を習慣に

 日中の運動は適度な疲労をもたらし、深い眠りを導きます。ウォーキングやジョギングなどの軽い運動を毎日の日課に取り入れるのもおすすめです。運動の時間がとれないという人は、エレベーターの代わりに階段を利用する、できるだけ車を使わず歩いてみるなど、普段の生活の中で、運動量を増やす工夫を意識して。ただし、寝る前の激しい運動は、交感神経を刺激して、眠りを妨げる原因となるので控えましょう。

【快眠のための習慣3】夜は深部体温を意識する

 体の内部の温度である「深部体温」は、睡眠と密接にかかわっています。私たちの体は、日中上昇した深部体温が夜に下がることで、眠りにつくことができます。深部体温を上手に下げるには、就寝前に一旦体を温めておくことが重要。中でも有効なのが、夜の入浴です。ぬるめと感じる湯温で適度な時間、ゆったりとお風呂に浸かりましょう。血行がよくなり皮膚表面から熱が放出され、深部体温が下がりやすくなります。この働きに伴い、体は休息状態となり眠気が自然と訪れます。

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あと2つの快眠習慣とは