門別はオリックスのところでも紹介したが、スピードだけでなく総合力も高いサウスポー。将来の先発候補として期待できるだろう。大学生でも将来性とスケールを重視するなら仲地礼亜(沖縄大)が面白い。高校時代は無名ではあったが、大学で急成長した本格派右腕で、昨年の大学選手権でも好投している。森下に次ぐエース候補として狙いたい存在だ。

【巨人】

 4位に沈む巨人は数字的には投手成績が課題のようにも見えるが、今年プロ初勝利をマークした投手が8人出ていることからも分かるように、今後の成長が楽しみな投手は少なくない。一方で野手は坂本勇人丸佳浩中田翔など中心選手にはベテランプレイヤーが多く、数年後には大きくメンバーを入れ替える必要があり、若手の有望株は必要不可欠な状況となっている。

 そんな中で9月28日には早くも浅野翔吾(高松商・外野手)の1位指名を公言したが、これはチーム状況を考えても非常に理解できる選択と言える。右打ちの外野手で支配下の選手は外国人のウォーカーを含めて2人しかおらず、内野も含めてもパンチ力のある若手は多くない。浅野自身は中距離打者を目指すと話しているが、東京ドームが本拠地であればホームランを量産することも期待できるだろう。

 ただ、巨人は抽選に外れ続けており、その時の選択も重要になってくる。過去には野手を外して投手に切り替えたこともあったが、チーム事情を考えるとやはり外しても野手を狙いたい。そこで、指名されず残っていれば推したいのが松尾汐恩(大阪桐蔭・捕手)だ。将来の正捕手候補としても当然魅力的な人材だが、巨人としては坂本の後釜候補として考えたい。地肩の強さとフットワークは抜群で、長打力十分のバッティングも高校生ではトップクラスだ。浅野、松尾ともに指名できないケースでも中日のところでも挙げた西村瑠伊斗(京都外大西・外野手)や、イヒネ・イツア(誉・遊撃手)など高校生のスケール型の選手を狙いたい。

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投手で狙いたい選手は?