被災地に支援の声をあげた広瀬アリスさん
被災地に支援の声をあげた広瀬アリスさん

 台風15号の影響で甚大な被害を受けた静岡県。地域によっては飲料水すらままならないという状況が続くなか、静岡市出身の女優・広瀬アリス、すず姉妹が支援の声を上げた。それに呼応するかのように、SNS上には多くの情報が流れたが、市や県の初動の遅さを指摘する声も多い。

【写真】「地元、、大丈夫か、、」と被災地に心を寄せた広瀬すずさん

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 広瀬アリスさんは、ツイッターでこう投稿した。

<母親から連絡が入った時衝撃を受けました。何か困ってること、必要なものがあればコメントください。出来る限りのことはしたいと思っています。乗り越えましょう>

 妹のすずさんも<あまりの変わりように言葉を失う><何か必要なものあれば送るからねーーー!!>などと自身のインスタグラムに投降した。

 SNSでは<飲料水を送ってあげてください>、<大量に水を運べる容器がほしいです>といった具体的な支援物資を求める声や、<あたたかい言葉をありがとう><このコメント読ませて頂いただけで涙が止まらない>などと感謝の声も多数あがった。

 一方、被災地からは被害の実態と比べて、報道が少ないという声も出ていた。

 現地にはボランティアがかけつけたり、支援物資が送られてきたりと支援の輪が広がっているが、苦しい状況が続いているようだ。
「とにかく今は水がなくてこまっています」

 こう話すのは静岡市清水区に住む女性(57)だ。自宅はマンションだったため、浸水被害は逃れられたが、周囲の住宅などは床上浸水や車が水没するなどの被害を受けた。水はひいたものの、断水となっている家は多い。女性はこういう。

「給水で水が手に入るようになっていますが、水が出ないので、お風呂には入れていません。食事もお米を炊くぐらいはできますが、洗い物が出るような料理はできないような状況です。市長は1週間で水道を復旧させるといっていますが、本当にできるのでしょうか……」

 また、女性の母(79)が住む押切地区は、より深刻な被害が出ているという。多くの家が床上浸水した。道路も泥に覆われており、泥まみれになった家財道具が外に出され、山のように積まれている状況だ。

泥にまみれた家財道具(提供)
泥にまみれた家財道具(提供)
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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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