LIVゴルフに移籍したキャメロン・スミス(ロイター/アフロ)
LIVゴルフに移籍したキャメロン・スミス(ロイター/アフロ)

 アメリカ・PGAツアーの2021-22シーズンは8月の「ツアーチャンピオンシップ」で終了し、松山英樹は11位でフィニッシュ。そして先週には早くも2022-23シーズンが「フォーティネットチャンピオンシップ」でスタートし、松山は25位でツアー10年目の節目のシーズンをスタートさせた。

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 ここ数ヶ月、LIVゴルフへの移籍話が絶えなかった松山だが、「ツアーチャンピオンシップ」最終日にPGAツアー残留を表明。米メディアの報道によると、サウジアラビアの政府系ファンドが支援する新ツアーからは3億~4億ドル(約433億~577億円)という巨額の移籍金が提示されていたようだが、これを断ったという。

 フィル・ミケルソンやダスティン・ジョンソン以上の移籍金を断られ、目玉の獲得に失敗した形のLIVゴルフだが、PGAツアーとのゴタゴタは収まる気配が一向にない。8月にミケルソンやブライソン・デシャンボーがPGAツアーに対して「独占禁止法違反」を理由に起こした訴訟は2024年まで公判が待たれることになった。

 さらに、9月上旬に開催されたDPワールドツアー(欧州ツアー)の旗艦大会、BMW PGAチャンピオンシップに多くのLIVツアー組が出場した際には「反LIV組」との舌戦が勃発。これまでDPワールドツアーに出場したこともない選手が多くいたことから、PGAツアーのビリー・ホーシェルが「なぜ彼らはここにいるんだ?」と疑問を呈した。

 加えて、今週の国別対抗戦「ザ・プレジデンツカップ」からLIV組は完全排除された。1年ごとに行われる「ライダーカップ」も含め、各チームの代表に選ばれることはゴルファーにとって大きな名誉で、ジョンソンやデシャンボー、ブルックス・ケプカは通常であれば米国チームに名を連ねるはずだったが大会に出ることは叶わなくなった。

 松山も選出されている世界選抜チームにも大きな影響が出ていて、エースとして期待されていた世界ランキング3位で全英オープン王者のキャメロン・スミスが電撃移籍をしたことで選外に。PGAツアー2勝のホアキン・ニーマン、経験豊富なルイ・ウーストヘイゼンも出場していない。

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