ドラマウオッチャーの中村裕一氏は、「やはり梨園育ちということで、自然と漂う気品や、誰に対しても分け隔てなく接するような、フラットでナチュラルなたたずまいが後輩から慕われているのではないでしょうか」と、彼女の魅力について分析する。

「木村拓哉と共演した『ラブジェネレーション』や『HERO』が代表作として挙げられると思いますが、個人的には『古畑任三郎』のセカンドシーズン『魔術師の選択』の、山城新伍演じるマジシャンの娘・サキ役も印象に残っています。近年では『カルテット』や『大豆田とわ子~』など、坂元裕二脚本作品で抜群の存在感を放ち、彼女ならではの独自のポジションを築き上げています。一方、舞台では蜷川幸雄、劇団☆新感線、野田秀樹、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、長塚圭史、松尾スズキといったそうそうたる顔ぶれが彼女を起用しています。にじみ出る気高さと内に秘めた熱情を併せ持つ彼女なら、これから先、どんな役も演じることができるはずです」

 華やかさ、上品さ、強さ、はかなさ……。さまざまな顔を併せ持つ女優・松たか子の魅力は、今後も人を引き付けてやまないだろう。(高梨歩)

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高梨歩

高梨歩

女性ファッション誌の編集者など経てフリーライターに。芸能やファッション、海外セレブ、育児関連まで、幅広いジャンルを手掛ける。活動歴は約20年。相撲フリークの一面も。

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