1位のヤクルトに関しては異論のある人はいないのではないだろうか。2017年シーズンは5位に大差をつけられる最下位で、投手陣はかなり苦しい状況だったが、清宮幸太郎(早稲田実→日本ハム)を抽選で外しても、投手に方針転換することなく村上に再度入札し、3球団競合で引き当てた。当時は投手に向かうべきという声も多かったが、結果としてこれが大成功となっている。

 その後も中継ぎの中心となっている清水と木沢を獲得している点も大きい。奥川が今年故障で戦力とならず、山下も未知数ではあるが、2017年に野手を優先したことをその後しっかり取り返した印象だ。また奥川以外の4人はいわゆる外れ1位、もしくは外れ外れ1位であり、そこからここまで主力が出ているというのも非常に珍しい現象と言えるだろう。

 2位の広島は抽選の強さと、一本釣りが成功している印象が強い。過去5年間で抽選を外したのは昨年の隅田知一郎(西日本工大→西武)だけ。中村、小園という高校生の人気選手を引き当て、その後の2年間は森下、栗林を単独指名で獲得している。この4人の中で中村は少し苦しんでいるものの、小園はショートのレギュラー、森下は先発の柱、栗林はクローザーとしっかり主力に定着している。この5年間の1位指名の選手がいなければ、現在のチームは相当苦しいことになっていたことは間違いないだろう。

 3位の阪神は近本、佐藤の野手2人が何よりも大きい。特に近本は藤原恭大(大阪桐蔭→ロッテ)、辰己涼介(立命館大→楽天)を続けて外した後の“外れ外れ1位”で、アマチュア時代の知名度の低さからファンから辛辣な声も多かったが、良い意味で期待を裏切って見せた。

 また佐藤も注目度が高い中で2年目のジンクスに大きくはまることなく、今年もしっかりと結果を残している。1番センターと、クリーンアップという重要な役割を担う選手を補強できた点は非常に大きい。また投手も西純矢が3年目の今シーズンは先発として結果を残し始めており、今年のルーキーである森木も早くも一軍デビューを飾っている。この2人がエース格となれば、近い将来広島を上回ることも期待できそうだ。

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最下位・中日で“光”となっている選手は…