かつての“絶対女王”不動裕理
かつての“絶対女王”不動裕理

 近年の国内女子ツアーは、ご存知のとおり毎週のように新ヒロインが誕生するなど混戦が続いている。『〇〇世代』ともてはやされても、その“旬”は短く、次から次へと『〇〇世代』が移り変わっている状況だ。

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 2015年から韓国のイ・ボミが2年連続の賞金女王になったが、それ以降は、鈴木愛、アン・ソンジュ(韓)、鈴木、稲見萌寧と毎年女王が入れ替わり、今季も2勝している山下美夢有が賞金ランクトップを牽引。また、昨季と今季(9月11日まで)のメルセデス・ランキングトップ20を比較すると、20人中9名が入れ替わっており、シーズンをまたいで上位をキープすることが難しくなっている。

 このように週替わりでスターが生まれることは、ファンにとってよりツアーを楽しめる要素だろうが、逆に言うと、昨今は“絶対女王”と呼ばれるプレーヤーがいない。ゴルフファンだけでなく、ツアーのライバルたちにも圧倒的な強さを感じさせる存在がいないということだ。

 では、過去にはどのような“絶対女王”がいたのだろうか?

 かつての国内女子ゴルフ界は樋口久子の独壇場だった。1980年代に入ると、台湾のト阿玉が5年連続で賞金ランクトップに立ちツアーを牽引。1988年のツアー制度施行後は、平瀬真由美、福嶋晃子が連続賞金女王に輝いた。

 そして21世紀に入ると、“絶対女王”と言える女子ゴルファーが誕生する。それが不動裕理だ。

 現在45歳となった不動がゴルフをスタートしたのは10歳の時。清元登子氏を師事し腕を磨くと、1996年のプロテストに合格し、同年12月の新人戦、加賀電子カップではプロデビュー戦で初優勝を果たした。1999年の伊藤園レディスでツアー初勝利を挙げると、この年の賞金ランクは4位。「不動時代」はこれが幕開けとなった。

 2000年の不動は、6試合で優勝しツアーで初めて獲得賞金1億円を突破すると、初の賞金女王の座に。01年、02年もマネークイーンになると、翌03年にはツアー新記録となるシーズン10勝を記録した。

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“絶対女王”と“スーパーヒロイン”のマッチレース…