河野太郎デジタル相。「どこが失敗したのか総括をしっかり行う」と明言している。
河野太郎デジタル相。「どこが失敗したのか総括をしっかり行う」と明言している。

 また、今回のこのアプリの目標がどういったもので、それがどこまで実現できていたのか、しっかりと検証する必要もあります。

 悪いところばかりではなく、良いところも見るべきです。ココアの通知で外出を控えた、役に立ったという人は多くいました。また、陽性者との接触をより詳細に確認できる「ココアログチェッカー」というウェブサイトを民間のエンジニアが開発し、多くの人が活用するということもありました。

 政府の取り組みは失敗したらいけないというわけではありません。失敗をしても、きちんと効果測定をして、次に生かしていくことが重要です。デジタルトランスメーション(デジタル化による変革)で大切なのは、小さな失敗を繰り返し、大きな成功につながりそうな芽を見つけることです。

 政府には設計や運用の問題、制度の制約などついて適切な検証をお願いしたいと思います。

(聞き手/AERA dot.編集部・吉崎洋夫)

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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