発酵調味料を使えば、おなかにじんわり沁みわたるおいしいスープが簡単にできて、腸活まで!
発酵調味料を使えば、おなかにじんわり沁みわたるおいしいスープが簡単にできて、腸活まで!

 だんだんと、温かいものが恋しくなる季節。発酵料理教室「神楽坂発酵美人堂」の店主を務める清水紫織さんが、酷暑の疲れを体の中から癒してくれる「発酵スープ」を提案してくれた。基本の発酵調味料さえあれば、材料も工程も少なく、だしもいらない。それでいて、腸内環境が改善され体を整えてくれる神レシピだ。

【図版】腸内環境のチェックリストはこちら。

 日本には、「みそ汁」というおいしい発酵スープがある。温かな湯気が立ち上り、鼻を近づけると昆布やかつお節のいい香り。一口飲めばうま味と塩味が口いっぱいに広がって、毎日食べても飽きない。日本古来の発酵調味料であるみそを使った、私たちに必須のスープだ。

 しかし、そんな魔法のスープも、食の多様性によって食卓にマッチしない日がある。例えば、主食がパンのとき。あるいはパスタのときなどだ。

「そんなとき、みそ以外の発酵調味料を使っていろいろなテイストのスープを作ってみたら、驚くほどさまざまな表情をみせてくれたのです」と清水さん。

 和・洋・中・エスニック、そしてデザート。麹を使った発酵調味料は、どんな国の味つけにも寄り添って、うま味調味料やだしを使わなくてもおいしいスープができあがるという。

 発酵調味料は、生きたまま腸に届く菌(プロバイオティクス)を含み、これが腸に届くと、腸内で善玉菌を優位に導き、腸の機能を高めてくれる。善玉菌の餌になる食物繊維やオリゴ糖(プレバイオティクス)も一緒に取り入れれば、効果はさらに高まる。

 重要なのは、発酵食品や発酵調味料は一度にたくさん取り入れても続けなければ意味がないということだ。

 食物繊維が豊富なごぼうやさつまいも、大根などの根菜や、オリゴ糖を多く含む玉ねぎやキャベツなどの野菜は、生ではたくさんは食べられない。

 清水さんは言う。
「一番効率よく、たっぷり食べられるのがスープです。やわらかく煮ることで、カサが減って食べやすくなり、失われやすい水溶性ビタミンも丸ごと摂取できますから」

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毎日の腸活に発酵スープ