ドラフト上位指名が確実視される早稲田大・蛭間拓哉
ドラフト上位指名が確実視される早稲田大・蛭間拓哉

 高校生、大学生のプロ志望届提出者の公開もスタートし、10月20日のドラフト会議に向けての話題も多い時期となってきた。各球団、これから候補選手の最終的な絞り込みを行うこととなるが、現在のチーム事情などを考えて1位指名で欲しい選手は誰なのか考えて見たいと思う。今回はパ・リーグの6球団だ(順位は9月8日終了時点)。

【写真】イチローが「本当の天才」と言った男とは

 BIGG BOSSこと新庄剛志新監督を迎えながら5位に大差をつけられて最下位に沈んでいる日本ハム。チームを作り変えるために試行錯誤をしているという印象だが、救いは清宮幸太郎、野村佑希、万波中正など若手の強打者タイプが育っていることだ。来年は新球場も開場するということで結果を求められるが、やはり欲しいのはスター性のある選手である。

 そこで推したいのが二刀流で注目を集めている矢沢宏太(日本体育大)だ。新庄監督は「野手でお金をもうけた方がいい」とコメントしているが、投手としての能力も捨てがたい。左のリリーフも手薄ということを考えると、基本的には外野手としてプレーし、投手では中継ぎとして起用ということも検討できないだろうか。大谷翔平とは全くタイプも持ち味も違うが、新たなスタイルの二刀流チャレンジを見てみたいファンも多いはずだ。

 5位のロッテはやはり気になるのが野手だ。平沢大河、安田尚憲、藤原恭大と高校生の大物を1位で多く獲得しているが、軒並み伸び悩んでいる印象を受ける。特に将来的なことを考えて真っ先に補強したいポジションはショートだ。大学生では友杉篤輝(天理大)、奈良間大己(立正大)、門脇誠(創価大)などが候補となるが、思い切ってスケールを重視してイヒネ・イツア(誉)を狙うのも面白いのではないだろうか。攻守ともまだまだ粗削りだが、抜群の運動能力に加えて長打力も備えており、この1年間での成長ぶりは目を見張るものがある。時間はかかりそうなものの、モノになった時は球界を代表する選手になる可能性を秘めた素材だ。これまでのNPBにいないタイプの打てるショートになることも期待できるだろう。

著者プロフィールを見る
西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

西尾典文の記事一覧はこちら
次のページ
楽天、オリックス、西武は誰を狙うべき?