サッカー日本代表の森保一監督
サッカー日本代表の森保一監督

 今年11月開幕のサッカーW杯カタール大会。我らが日本代表はグループリーグE組(ドイツ、スペイン、コスタリカ、日本)を突破して2大会連続4度目のベスト16進出、さらにその上の「新しい景色」のベスト8以上を狙う。だが、この「W杯ベスト8」という目標は、日本だけでなく多くのサッカー中堅国にとって“言うは易く行うは難し”の非常に高い壁である。

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 歴史は物語る。過去21回を数えるW杯において、その栄光は常に欧州と南米のサッカー大国のものであり、優勝経験国は8カ国(ブラジル、イタリア、ドイツ、ウルグアイ、アルゼンチン、フランス、イングランド、スペイン)のみ。その内訳は、ブラジルが最多の5回を誇り、イタリアとドイツが4回。ウルグアイが草創期の2回(1930年、1950年)で、アルゼンチンとフランスも2回。イングランドは1966年の地元優勝以外はさっぱりで、スペインも初優勝した2010年南アフリカ大会以外は早期敗退の連続。オランダは3度の決勝進出も頂点には一度も立てていない。出場国は13から16、24、そして32(2026年からは48)と増加してきたが、優勝トロフィーは一部の国が牛耳ってきた。

 優勝に限ったことではない。過去のベスト4進出国を振り返っても、全21大会での延べ84カ国中、欧州が61、南米が21とほぼ独占(残り2カ国は1930年のアメリカ、2002年の韓国)。対象を「ベスト8」に広げても、大会方式によって確定できない3大会(1930年、1950年、1982年)を除いた延べ144カ国中、欧州が100(69.4%)、南米が34(23.6%)と圧倒的。残りは10カ国のみで、北中米5(メキシコ2回、キューバ、アメリカ、コスタリカ)、アフリカ3(カメルーン、セネガル、ガーナ)で、アジアは2(北朝鮮、韓国)。欧州と南米以外の国がW杯でベスト8に進出できた割合は6.9%のみ。アジアに限ると、わずか1.4%しかない。

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中堅国でW杯の常連も…