8月の全米女子アマを制した馬場咲希
8月の全米女子アマを制した馬場咲希

 女子ゴルフ世界最高峰の米女子ツアーは、何年も韓国勢の強さが目立つ。

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 今年も海外女子メジャー5戦が全て終了したが、過去5年間のメジャー24大会(2020年のエビアン選手権は中止)で、韓国勢の優勝は8回。これを過去10年まで遡ると、49大会中20大会を韓国籍の選手が制しており、その強さは圧倒的だ。

 2000年代中盤までは朴セリ(韓)が、アニカ・ソレンスタム(スウェーデン)とライバル関係にあり、その後は、朴仁妃(韓)、申ジエ(韓)が活躍しメジャー制覇を達成。朴仁妃は、2015年までにメジャー7勝を記録するなど、史上最年少の27歳で米女子ツアー殿堂入りも果たした。

 最近のロレックス世界ランキングを眺めてみても、コリアンパワーは顕著だ。コ・ジンヨン(韓)がトップに君臨しているだけでなく、トップ10に3名の韓国籍選手がおり、これをトップ100に広げると実に31名になる。ツアーのお膝元である米国がそれに続いているが、女子ゴルフ界において、韓国パワーは絶大なのだ。

 しかし、その勢力図に、少しずつ地殻変動が起きている。

 近年の日本人女子で世界を股にかけて活躍したゴルファーといえば、宮里藍が思い浮かぶ。かつては米ツアーで賞金女王になった岡本綾子、現在のLPGA会長の小林浩美、福嶋晃子、平瀬真由美らが米女子ツアーに参戦しツアー制覇も果たしたが、宮里はメジャー優勝こそなかったが、日本人で初めて世界ランクのトップに立った。今をときめく黄金世代を中心とした女子プロたちは、みんな宮里に憧れを抱きゴルフを始めており、昨今の女子ゴルフ界に大きな影響を残した。

 そんな宮里が活躍した時代には、宮里美香、横峯さくら、有村智恵らが海を渡り頂点を目指したが、コンスタントに上位に入り好成績を収めることができたのは、宮里藍だけと言える。現在、米女子ツアーでは、畑岡奈紗、渋野日向子、笹生優花、古江彩佳が主戦場としてプレーしているが、それぞれがツアーで勝利している他、メジャー優勝を狙える存在となっており、当時とその層の厚さは比較にならない。

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目覚ましい“日本勢”の躍進