チャンス大城さん(撮影/写真映像部・東川哲也)
チャンス大城さん(撮影/写真映像部・東川哲也)

 芸歴32年、いま、お茶の間の記憶に残る男として、TV出演急増中の芸人・チャンス大城(本名:大城文章)さん。そんなチャンス大城さんが自らの半生を赤裸々に語り下ろした『僕の心臓は右にある』には、芸人さんはもちろん、超有名タレント、超有名ミュージシャン、プロレスラー、作家、マンガ家さんなど、プロの方々からの絶賛ツイートが続々と上がっています。本書から、14歳のときにダウンタウンさんにはじめて会ったときのエピソードを、抜粋、編集して紹介します。

*  *  *
 中2でTという不良が転校してきてからは、毎日いじめが続きました。僕は他の不良からもいじめを受けていたので、毎日が辛いことに変わりはありませんでした。

 このままじゃ、あかんなぁ。

 心の中ではこう思うのですが、なにしろ気が弱いので、いじめをはねのけることができないのです。僕はある日、中学に入ってから2年間、学校の中でほとんど笑ったことがないのに気がついて愕然としました。

 中学生って、人生の中で一番悪い部分が出る時期じゃないかと僕は思います。まわりじゅうがみんなイキり出して、僕は平和に生きたかったのに、毎日毎日、理不尽なことばかり。そして、まわりはアホばかり。しかも、当時の尼崎はアホの層が厚すぎました。

 学校に行けば必ずいじめられる。家にいれば親からサボるなと言われる。僕は学校に行くのがあまりにも嫌で、近所の畑の隅に建っているトラクターの倉庫の床に、朝から夕方までひとりで座っていたことがあります。それぐらい学校が嫌だったのです。

 この時は、学校をサボったのがおかんにバレて、太ももをつねられてとても悲しかったのですが、いじめられっ子の多くは、学校と家庭の板挟みになって苦しんでいるのではないかと思います。そして、そんな日々を送っていると、すっかり心が腐ってしまうのです。

 このままじゃ、ダメになるな。

 そう思い詰めた時、僕はなぜか、おかんに梅田花月に連れていってもらった時のことを思い出したのです。

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初めて生で見た間寛平さん…