近江のエース山田陽翔
近江のエース山田陽翔

 夏の甲子園も大詰めを迎えているが、大会が終わるとU18W杯(9月9日~/アメリカ・フロリダ)が行われる予定となっている。センバツ高校野球終了後には一次候補の29人が発表されているが、例年の流れから考えるとここから残る選手はそれほど多くはない。

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 過去には森下暢仁(2015年・大分商)、佐々木朗希(2019年・大船渡)など甲子園でプレーしていない選手が選ばれているケースもあるが(森下は1年夏に控え選手として出場)、基本的にはその年の春、夏の甲子園、特に夏に出場した選手が中心となることが多い。

 下級生については秋の新チームがスタートしていることもあって選びづらいということもあるが、例年であれば翌年以降のことを考えてか2人程度が選ばれている。またチームの指揮を執る馬淵史郎監督(明徳義塾)は手堅い野球をすることを考えると、投手であればコントロール、野手であれば守備と走塁を重視するのではないだろうか。以上のことを考えて、U18侍ジャパンの20人のメンバーを予想してみた。

*  *  *

【投手】
有馬伽久(愛工大名電3年)
山田陽翔(近江3年)
川原嗣貴(大阪桐蔭3年)
前田悠伍(大阪桐蔭2年)
武元一輝(智弁和歌山3年)
吉村優聖歩(明徳義塾3年)
香西一希(九州国際大付3年)
宮原明弥(海星3年)

【捕手】
山浅龍之介(聖光学院3年)
松尾汐恩(大阪桐蔭3年)

【内野手】
金田優太(浦和学院3年)
緒方蓮(横浜2年)
山田空暉(愛工大名電3年)
伊藤櫂人(大阪桐蔭3年)
藤森康淳(天理3年)
尾崎悠斗(九州国際大付3年)

【外野手】
石川ケニー(明秀日立3年)
海老根優大(大阪桐蔭3年)
浅野翔吾(高松商3年)
黒田義信(九州国際大付3年)

 3月に発表された一次候補と今回の夏の甲子園に出場したメンバーから選んだ。春夏の甲子園未出場の選手となると過去にはドラフト1位候補と言えるレベルでないと選ばれておらず、今年はそこまでの目玉はいないという判断だ。投手であれば斎藤優汰(苫小牧中央3年)、野手では内藤鵬(日本航空石川3年)、西村瑠伊斗(京都外大西3年)などが候補となりそうだが、馬淵監督の目指す野球を考えると少しタイプは異なると判断した。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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