どこの世界でも人事は大きな関心事。8月10日の内閣改造に向け、あちこちから様々な観測が聞こえてくる。注目人事の一つは、菅義偉前首相が重要ポストに起用されるかどうか。後援会からは期待する声が上がり、「副総理」という具体的なポストも聞こえてはくるが、希望的な観測に過ぎないという見方もある。
菅氏の選挙区がある神奈川県では、地元紙の神奈川新聞が6日に、「内閣改造・自民党役員人事で飛び交う観測 岸田首相、『菅氏重用』で無敵に」という見出しで、「副総理や幹事長など重要役職への起用観測が週末の永田町で飛び交っている」と報じた。
周囲はどう考えているのだろうか。菅氏の神奈川県の側近はこう話す。
「岸田(文雄)首相から入閣の話があっても、ポストによっては受けないかもしれない。おそらく、安倍晋三元首相のレガシーだった米軍普天間飛行場の辺野古移設問題をかかえる沖縄・北方担当相なら受けると思うね。菅さんも官房長官時代から沖縄の基地問題には熱心で、しょっちゅう沖縄へ行ってたから」
菅氏の後援会幹部は、菅氏にはもう一花咲かせて欲しいという。
「菅さんは安倍元首相と二人三脚でやってきた人で、岸田氏とは対峙(たいじ)した関係です。いざという時に、岸田首相とは考えが違う人として相談できる人がいた方がいいと思います。もし岸田首相が反対意見を封殺し、自分の思うままにやると、歴史の常として、結局は何もできないということになりかねないです」
そして、こう期待感をにじませる。
「菅さんはまだ隠居するつもりはないと思います。菅さんの影響力は低下しているでしょうけれど、首相としてやったことが評価されるのはこれからです。菅さんには政治家としてやることがまだまだ残っています」(菅氏の地元後援会幹部)
菅氏はTBSのCS番組で入閣への意欲を聞かれ、「私は総理大臣までさせていただきましたから、そういう意味でいろんな場所で、閣内、閣外に関わらず進めていくことが、そこは大事だと思います。閣内でということで限定すれば、そこは考えていないということです」との考えを述べた。