ヤクルトのサンタナ
ヤクルトのサンタナ

 首位快走するヤクルトを牽引するのが、4番の村上宗隆だ。今季は39本塁打、98打点といずれもリーグ断トツトップ。打率.318のハイアベレージで首位打者も獲得できる位置につけている。22歳の若さで驚異的な成長をみせている「不動の4番」が三冠王を獲得すれば、2004年の松中信彦(ダイエー)以来、18年ぶりの快挙になる。

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 相手バッテリーも当然、警戒する。村上の78四球、14敬遠はいずれもリーグトップ。ただ、簡単に歩かせられない。走者をためると5番にドミンゴ・サンタナが控えているからだ。

 他球団のスコアラーは「村上ばかり注目されますが、サンタナもフルに試合に出場すれば三冠王を狙える強打者です。コンタクト能力が高く、ボール球を追いかけて振り回さない。選球眼がいい。あとは規格外のパワー。少しでも甘く入ると広角に本塁打を持っていかれる。長距離砲はスランプが長いことが珍しくないのですが、サンタナは波が少ない。アレックス・ラミレス(元ヤクルト、巨人、DeNA)に似ています。村上と同じぐらい脅威ですよ」と警戒を強める。

 来日2年目の今季は開幕シリーズの阪神戦で3試合連続決勝打を放つなど絶好調だったが、直後に故障で戦線離脱。米国で左半月板のクリーニング手術を受け、3カ月以上戦線離脱した。その影響で25試合出場にとどまっているが、打率.367、11本塁打、26打点と好成績をマーク。得点圏打率.417と好機に強く、出塁率と長打率を足し合わせたOPSは1.248と村上の1.156をしのぐ。8月に入り、「打ち出の小づち」のように安打や長打を量産している。3日の中日戦では2打席連続アーチを放つなど、4打数4安打6打点の大暴れ。7日の巨人戦では2点差を追いかける2回1死満塁で左翼席に11号逆転満塁アーチ。村上が三飛に倒れた直後、重苦しい雰囲気を変える一撃だった。チームは逆転負けを喫したが、夏場で打ち続けるサンタナの存在は心強い。

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