■トップをとって自信をつけるって大切

山野 はい。ところが意気揚々とリクルートに入社したら、新人が毎年最初に行う名刺獲得キャンペーンで300人中290位くらいでした。こりゃダメだと思い、営業トップを取っていた先輩に「えらそーにしていてすみませんでした!」と頭を下げていろいろ教えてもらったんです。おかげで、半年後にはMVPをとることができました。

高濱 へんなコンプレックスがあると「頭なんか下げられない」となるけど、自分に自信があると、案外素直にできちゃうんだよな。

山野 どんなことでもいいから、トップをとって自信をつけるって大切だと思います。僕みたいにメンタルが強くない人はとくに。

高濱 メンタルが弱いとはとても思えないけどなあ(笑)。

山野 いや、本当なんです。実際今回のコロナ禍での騒動では毎日凹み、たまに泣いてましたから(笑)。

高濱 「アソビュー!」は外遊び関連の予約サイトとして始まったわけだから、外出自粛は大打撃だったでしょう。

山野 売り上げは前年比マイナス95%、週単位で売り上げゼロの日も続きました。投資家にもそっぽをむかれて……。でも僕はどうしても社員を解雇したくなかったし、せっかく立ち上げたサービスも終わらせたくなかった。その二つは絶対だったから、そのためにどうすればいいのかをすごく考えました。

(取材・文/篠原麻子)

※「AERA with Kids 2022年夏号」より一部抜粋

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篠原麻子
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