コロナで主力が大量に戦線離脱した巨人。原監督は意地をみせられるか
コロナで主力が大量に戦線離脱した巨人。原監督は意地をみせられるか

 29日からリーグ戦が再開する。パ・リーグは首位のソフトバンクから5位のオリックスまで2.5ゲーム差にひしめく大混戦だが、セ・リーグは首位のヤクルトが2位タイで並ぶ阪神、広島に11ゲーム差をつけて独走。後半戦は「ヤクルト包囲網」を敷かなければ、このまま突っ走る可能性が高いだろう。

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 他球団のスコアラーはヤクルト対策について、こう話す。

「詳しくは言えませんが、ウチだけがヤクルトに勝っても引きずり下ろせない。各球団のエース級の投手をヤクルトにぶつけなければ落ちてこないでしょう。打線はサンタナが復帰してさらに強力になりましたが、投手陣は少しほころびが見える。交流戦で優勝した原動力になった強力救援陣が、7月に入って痛打を浴びる場面が目立つようになった。夏場にヤクルトと5ゲーム差まで縮められれば逆転優勝の芽が出てくる。まずは2位争いから抜け出すことですね」

 ヤクルトが貯金22とセ界の貯金を独占し、2位以下は団子状態だ。最下位の中日もCS圏内に入る可能性はまだ十分にある。ヤクルトの対抗馬として、地力の強さが一番あるのは2020、21年と2年連続2位の阪神だろう。今季は開幕から9連敗を喫するなど春先はどん底状態で一時は借金16の最下位に低迷していたが、リーグトップのチーム防御率2.57と抜群の安定感を誇る投手陣で白星を積み重ねていく。前半戦最後のカードとなったDeNA戦で同一カード3連勝を飾り、借金を完済した。青柳晃洋、西勇輝、伊藤将司、ガンケル、ウィルカーソンと先発陣のクオリティーの高さはヤクルトを上回る。

「阪神は戦力だけを見れば優勝争いを繰り広げなければいけない陣容です。ただここ一番で勝負弱い。投手陣は文句なしなので、打線が機能するかがカギを握る。佐藤輝明、大山悠輔の両主砲の爆発に期待ですね」(スポーツ紙デスク)

 秋山翔吾の電撃加入でチームの雰囲気がガラッと変わったのが広島だ。22日からのヤクルト3連戦は「秋山ショー」だった。初戦は0-2の8回2死一塁から右翼席に2号同点2ランを放つなど4安打の大暴れで逆転勝利に導き、ヤクルト戦の連敗を9でストップ。翌23日の同戦でも初回に2試合連続の3号先制3ランを放つなど猛打賞4打点の活躍で、15-3と圧勝した。秋山が下半身の張りで欠場した3戦目は2-4で敗れたことで、その存在の大きさが浮き彫りになった。

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