新型コロナに感染し、ホテル療養中の水道橋博士。オンラインでインタビュー
新型コロナに感染し、ホテル療養中の水道橋博士。オンラインでインタビュー

 博士は食事について、

「批判されていましたけど、毎回、メニューも違って充実していましたよ」

 とのこと。コロナの話はこれくらいにして、本題について尋ねた。

 まず、「タレント議員」について。今回の参院選でも、元おニャン子クラブの生稲晃子氏(自民)、歌手の中条きよし氏(維新)、ユーチューバーのガーシーこと東谷義和氏(NHK党)、元陸上選手でタレントの松野明美氏(維新)、元プロ野球選手でスポーツライターの青島健太氏(維新)らタレント議員が数多く誕生した。

 博士はこれまで、そうしたタレント議員に対し、批判的な見方をしてきた。今回、自らも当選してタレント議員の一人になったが、そのあたりはどう考えているのだろうか。

「仕事をしないタレント議員を批判してきたんです。『国会での質問』『議員立法』『質問主意書』の回数がゼロのサンゼロ参院議員も多く見受けられる。僕は、少なくともその三つはしっかり実行したい。立法府に入るんだから、立法するつもりです」

 博士の立候補のきっかけとなったのは今年2月。ツイッターで松井市長を批判したYouTube動画を紹介したところ、松井市長は、「これらの誹謗(ひぼう)中傷デマは名誉毀損(きそん)の判決が出ています……法的手続きします」などとツイッターで応戦し、博士に対し、名誉毀損で訴えを起こしたことだった。

 5月30日には大阪地裁で第1回の口頭弁論が開かれた。

「権力者が、何でもすぐに訴えるぞと裁判を脅しの道具に使い、一般の人の口封じをすること、訴権を乱用することをスラップというんですが、僕は反スラップ訴訟を立法化したい」

 ただ、参院選後、松井市長はテレビのインタビューに答える形で、来年4月の政界引退を表明した。皮肉なことに、松井市長が公人から私人となり、博士が私人から公人となる形だ。それはスラップにあたらないのだろうか。

「訴えを起こした時の立場が問題にされるんであり、表現行為に対する恫喝(どうかつ)、嫌がらせですよ。それに元議員でも議員以上に社会的権力がある場合もある。スラップというのが外来語でわかりにくいので『口封じ裁判禁止法案』でも『反・松井一郎法案』でも、『水道橋博士法案』でもいいと思っています。維新の議員や元議員たちは『法的な手続きを打ちますよ』というのを日常で口封じに使っているし、実際に裁判を起こしてもいます。そういう行為は脅しであり、社会悪だと思います」

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「山上容疑者が映画『ジョーカー』に影響を受けていたならショック」