巨人の岡本和真
巨人の岡本和真

 借金生活に入った巨人が打開策を見いだせない。19日のヤクルト戦で2週間ぶりの連勝を目指したが、今季チームトップの9勝と勝ち頭の戸郷翔征が6回途中5失点と踏ん張れず借金は今季ワーストタイの4に逆戻り。スポーツ紙記者はこう指摘する。

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「正直、戦力を見ても逆転優勝は厳しい。残り50試合を切り、戦い方を変える必要があると思います。今までは序盤で先発が崩れてビハインドの展開でも、鍬原拓也、今村信貴などセットアッパーを起用していましたがこの起用法だとシーズン終盤まで持たない。救援陣がこれ以上機能しなくなったら、最下位転落の恐れもあります。CS圏内の3位を狙うのが現実的で、負け試合は救援陣の負担を減らした方がいい。序盤に大量失点を喫したら来季を見据えて若手の投手を登板させた方が良いと思います」

 3、4月は20勝11敗と好スタートを切ったが、5月は11勝14敗、6月は9勝13敗、7月は5勝11敗1分と負け越している。気になるのは完全な「力負け」が目立つことだ。7月は2ケタ失点が4試合。7月15日の広島戦で3試合連続満塁弾を浴びた。18日のヤクルト戦も乱打戦を制したが、エース・菅野智之が初回にオスナに満塁アーチを浴びるなど7回途中7失点KO。プロ野球ワーストの4試合連続満塁弾の屈辱となった。369得点はヤクルトの391得点に次ぐリーグ2位だが、これだけ失点を重ねれば勝てない。

 逆転優勝の灯火が消えかかっている中、CS圏内に入ることも厳しい状況になっている。開幕ダッシュに失敗した阪神は借金16まで膨らんだが、その後は立て直して借金2と勝率5割が見えてきた。チーム防御率2.62はリーグトップ。投手陣の安定感は群を抜いている。広島は秋山翔吾の加入で活気づいている。個々の能力が高いチームだけに、投打の歯車がかみ合えば大型連勝で勢いに乗る可能性は十分にある。不安を抱えている救援陣の整備がカギを握りそうだ。DeNAも7月に入り9勝4敗2分と好調で、三浦大輔監督が就任して以降初の2位に躍り出た。4月13日に右肘クリーニング手術を受けたオースティンも間もなく1軍に復帰予定で打線の厚みがさらに増す。各球団にとって手強い相手になりそうだ。

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