大阪桐蔭・西谷浩一監督
大阪桐蔭・西谷浩一監督

 春のセンバツ高校野球を圧倒的な強さで制し、夏も本命と目されている大阪桐蔭。春夏連覇達成に注目が集まるが、今月2日の練習試合では猛暑の中での戦いに備え、グラウンドコートを着てウォーミングアップをするという“暑さ対策”が話題となった。高校野球界の絶対王者が実施するこの取り組みにはどんな意味があるのだろうか……。

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「激戦区の大阪を勝ち抜くのは並大抵ではない。強豪校がひしめくだけでなく、関西地方の夏の暑さは全国トップクラス。大阪の学校からプロ入りした選手が『(埼玉西武の本拠地)ベルーナドームは暑いと聞いていたが高校時代に比べれば涼しい』と語っていたほど。甲子園に出場するためにやれることは何でも取り入れるという思いでしょう」(スポーツ新聞 野球担当記者)

「見ているだけで汗が吹き出しそうな光景。グラウンドコートだけでなく、コロナ禍ということもありマスクを着用する時間もある。選手たちの体力消耗度はすごいと思う。それでもパフォーマンスを落とさず、技術向上のために練習する。頭が下がるし結果で報われて欲しい」(大阪桐蔭OB)

 大阪桐蔭は夏5回、春4回の全国優勝回数を誇り、今夏は史上初となる3度目の春夏制覇がかかる。名将・西谷浩一監督のもと、多くのプロ選手も輩出しており日本屈指の野球強豪校として知られる。府内にある同校の生駒グラウンドには多くの他校関係者やファンが練習見学に訪れ、強さの秘密に触れようとしている。

「練習見学に伺ったのは5月だったが気温も高かった。その中で汗を大量に流しながら練習メニューをこなしている。熱中症対策が重要になっている昨今、信じられない光景だった。しかし各自がこまめに水分、塩分補給をしつつ、何度もウエアを着替えているのも印象的だった」(九州から訪れた高校野球部監督)

 この時期、屋外競技で最も注意しなくてはならないのが熱中症。通常、運動中の体温は安静時体温より高くなり、40度を超えてしまうこともあるという。その中でグラウンドコートを着用すると、外気温より高い体温を衣服内に閉じ込めてしまう。また汗を蒸発させることができないため体温を下げることもできない。

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「暑さ対策」は精神的な強さにも影響も?