遊びを通して学ぶほうが、机に向かって学ぶより身につくことがあります。この夏のお出かけは、親子で一緒に楽しみながら知識を深めてみては。動物園や水族館など、普段何気なく訪れている場所を、知的好奇心をくすぐる学びの場に変える方法を、「探求学舎」宝槻泰伸さんらに聞きました。現在発売中の『AERA with Kids 2022夏号』(朝日新聞出版)から一部抜粋してご紹介します。

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「太陽の大きさは直径約139万キロメートルです」と子どもたちに伝えても、「ふーん」という反応でしかありません。子どもに興味を持ってもらうためには、伝え方に工夫が必要です。「地球がビー玉のサイズだとしたら、太陽は野球ボールくらいだと思う? それともサッカーボール?」と考えてもらい、「正解は大玉転がしでした!」と伝えると「えー!」と盛り上がります。大きさをリアルに想像して、本当に驚くんだと思います。そこに、マニュアルにはない学びが生まれます。

 探究学舎では「驚き」と「感動」をテーマに子どもたちの探究心に火をつける興味開発型の授業に取り組んでいます。大切なのは、子ども自らが「なんで?」「知りたい!」「もっとやりたい!」と思う気持ち。興味をもって自発的に向き合ってもらうには、「発見する喜びを演出する」ことがコツです。

 例えばジグソーパズルを考えてみてください。1ピースずつ試してみて、「あ! はまった!」と発見することに楽しさがある。次はこの形、この形、と分かっているものをはめ続けていくのは、効率的だけど楽しくはないですよね。

 ゲームも攻略法が先に分かっていたら、それはもう「作業」です。攻略法を考えたり、その攻略法を見つけたりしたときの楽しさや喜びが「もう一度やりたい」「ほかにもやりたい」につながる。そんなふうに何かにときめいた原体験が、個人が主役になるこれからの社会を生きていくうえで、大切なエッセンスになると思っています。

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AERA with Kids編集部
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